柏レイソルのCB鎌田次郎がサンフレッチェ広島を前にオンライン取材に応じた。広島戦はリーグ戦17試合目、つまりちょうと半分を消化したことになるが、鎌田はここまでのシーズンを振り返るとともに、後半戦に向けて決意を語った。

上写真=一時、負傷により戦列を離れていた鎌田だが現在は復帰し、守備を引き締めている(写真◎Getty Images)

CBにここまで離脱者が出るとは…

 相次ぐケガ人に苦しめられたのが、シーズン前半戦の柏だった。とくにCBに故障者が相次ぎ、一時は4人が戦線離脱することになった。シーズンの前半最後の試合、17節の広島戦を前に取材に応じた鎌田はこう振り返った。

「予想以上にケガ人が多いのはありますし、自分も含めてCBにこれだけ離脱者が増えるとは予想していなかった。監督は守備から入るとよく言っているので、そのあたりの安定感を出せなかったのは申し訳なかったと思います。ただ代わりに出た選手、(古賀)太陽とかはCBをやっていい経験になっていると思う。
 チームの結果がすごくいいとは言えないけど、今、なんとか踏ん張れて上を目指せる位置にいる。それはチームとしてまとまりが出た結果だと思う」

 ハードなスケジュールの中でベストな陣容で戦うのは困難だった。それでもサイドバックをCBに起用したり、3バックを採用したり、やりくしながら急場をしのぎ、チーム一丸となって乗り越えてきた。リーグでは3位FC東京と1試合消化が少ない状況で6ポイント差の7位につけ、ルヴァンカップは準決勝に駒を進めている。

 さらに、逆境を乗り越えんと戦うことで逆にチームは『幅』を広げることになった。例えば、これまでサイドバックで出場する機会が多かった古賀の成長は好例だろう。CBとしてプレーし、個人としての幅を広げている。先輩CBの鎌田も、その成長を認める。

「真ん中でプレッシャーが少し少なくなっているところはあると思うんですけど、だいぶ落ち着いてプレーできている。太陽のいいところ、例えばパスだったり、そういうものが(CBでも)出せていると思います。3バックで何試合かで一緒にやりましたが、あいつの声がかなり聞こえるようになってきた。そういうところはすごく成長している。オリンピックを目指す選手だし、柏を引っ張ていく選手。リーダーシップとかそういう面も、ディフェンスには最低限必要で、そこはやっていて目に見える成長だなと。頼りになるCBの一人です」

 そもそも柏はリーグ中断期間にJクラブと対外試合を行なわず、再開後に戦いながらチーム力を高めていくスタンスで臨んでいたが、ケガ人続出という不測の事態にも動じず、一歩一歩力強く歩んできた。そして今、確かにチーム力を高めつつある。週末の広島戦に勝って弾みをつけ、蓄えた力を後半戦で発揮したいところ。

「(19日に対戦する)広島も守備から攻撃というチームなので、変に失うとカウンターも速いし、強い。外国籍の(強力な)選手もいるので、簡単にボールを失わないとか、攻撃はシュートで終わるとか、単純なところですけど、やらなきゃいけない。うちも守備と攻撃をしっかりリンクさせて、固い試合にしなければいけないと思いますね」

「後半はケガ人が帰ってきます。そこで、どういうことができるのか。攻守にもっとブラッシュアップというか、少ない人数ながらアウェーが続く連戦をみんなでしのげた経験は大きいと思います」

 底上げされた戦力と厳しい状況の中でヘッドダウンせずに戦ってきた経験が、シーズン後半戦に必ず生きるーー。プロ13年目のシーズンを戦う、鎌田の見立てである。