明治安田生命J1リーグでヴィッセル神戸の攻撃に生き生きと絡んでいた郷家友太が、負傷欠場ののちに帰ってきた。21歳の若武者が前に前にと仕掛けるアクションが攻撃の刺激になる。隠しきれないゴールへの意欲も魅力だ。

上写真=FC東京戦で戻ってきた郷家。白黒の復刻ユニフォームも似合う(写真◎J.LEAGUE/VISSEL KOBE)

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 郷家友太が、帰ってきた。

 8月16日のJ1第10節で鹿島アントラーズから、続く19日の第11節で柏レイソルからゴールを奪う活躍で、さあこれから、というときに、立ち足となる左足に痛みを覚えた。「このまま試合に出ると怖いので」と、大きなケガにつながる危険性を憂慮して、ここで一度治療に専念することにした。勇気ある決断だった。そして9月12日、第16節のFC東京戦でピッチに戻ってきた。

「大きなケガではないし、そんなにケガをするタイプではないので、離れていた2週間半は長く感じました」とため息をつくが、リーグ戦5試合を欠場したその間ももちろん、チームの一員として試合にフォーカスしていた。

「2試合連続ゴールを決めていて、いい波に乗れているときにケガをしてしまって、当時は悔しい気持ちでいっぱいだったんですけど、2週間半、チームのいいところと悪いところが外から見えました。復帰したら自分が試合の中で修正したりアクセントをつけるような動きをしたいという気持ちが生まれました」

 FC東京戦では80分にセルジ・サンペールに代わってピッチへ。1-2のビハインドの状況だったから、もちろん狙うはゴールだ。「久しぶりの試合で負けている状況で入って、心肺的にちょっと苦しかった」と息が上がったことを明かしたが、それもゴールへ全力を傾けていたから。「振り返ると、もっとうまく試合に入りたかったのが個人的な感想」と言いながらも、中盤の一角に入って前へ前へ、85分にはゴール前でファウルをもらってFKを獲得するなど、ゴールへの意欲は人一倍だった。

 鹿島戦、柏戦の得点はどちらも、右足でゴール左に低く送り込んだシュート。ボールをしっかりととらえた丁寧さが印象的だ。FC東京戦のあとは「練習したあとにダッシュを繰り返してコンディションが上がってきた」と手応えを感じていて、次のセレッソ大阪戦ではもちろんゴールを狙っていく。

「FC東京戦では狭いところでボールを受けていました。セレッソも東京と同じように引いたりブロック作って守ってくると思うので、狭いところで受けてターンして打つことを心がけていきたいと思っています」

 相手の嫌なところに潜り込んで受けて、そして丁寧に打つ。ゴールへの道筋ははっきりと見えているようだ。