昨季J1王者の横浜F・マリノスは13日のJ1第16節・セレッソ大阪戦に敗れて今季初の3連敗。首位の川﨑フロンターレとは勝ち点23差が開き、リーグ連覇に黄信号がともるが、敗戦後のアンジェ・ポステコグルー監督は満足そうに選手たちを称えた。

上写真=試合に敗れたもののポステコグルー監督は内容に満足を示した(写真◎Getty Images)

■2020年9月13日 J1リーグ第16節(@日産ス:観衆4,918人)
横浜FM 1-2 C大阪
得点:(横)エリキ
   (C)清武弘嗣、高木俊幸

指揮官の揺るぎない信念

 C大阪戦を終えた直後のオンライン会見で、ポステコグルー監督は「勝てなかったのは残念だが、選手たちがしっかり自分たちのサッカーを最後まで表現してくれた」と、満足気に試合を振り返った。

 この日は序盤から攻めに攻めた。シュート数は前半だけで13本を記録。ボールを奪われても自慢のハイプレスで即座に奪い返し、何度もボックス内に侵入した。「きょうは今年ベストゲームの一つと思えるくらい、しっかりチャンスを作った」とポステコグルー監督。その言葉どおり、決定機の数では横浜FMがC大阪を圧倒した。

 スポーツの世界に「たられば」は禁物だが、前半のチャンスが決まっていれば結果は違っていただろう。後半に先制点を挙げたエリキだが、4分と25分に二度もクロスバーに嫌われた。3-4-2-1の新システムでボランチを務めた和田拓也は「前半のうちに試合を決めておかなきゃいけないゲームだった」と逆転負けを悔やんだ。

 それでもポステコグルー監督は「最後の最後のところは運もある」と平気な顔。得点は二の次とさえ言う。

「まずは自分たちのサッカーをすることが一番大事で、点を取るとか、そういうことはその次です。結果はあとからついてきます。(第14節の)川崎戦では自分たちのサッカーができず、本当に悔しい思いをしました。きょうも勝てませんでしたが、自分たちのサッカーをしっかり出すことができたので、選手たちを誇らしく思います」

 リーグ連覇が遠のく3連敗となったが、攻撃的で魅力的なサッカーを標ぼうする指揮官の支持者は多い。退場者を出しても最後まで攻め続けたチームに対し、試合後のスタンドからは大きな拍手が送られた。

取材◎多賀祐輔 写真◎Getty Images