ヴィッセル神戸のトルステン・フィンク監督が、9月11日にオンライン会見を行なった。チームの現状、AFCチャンピオンズリーグの再開延期への戸惑い、12日のFC東京戦のポイントなどを語っている。

上写真=12日のFC東京戦を前に報道陣の質問に答えたフィンク監督(写真◎VISSEL KOBE)

「最近はチームに運がない」

 ヴィッセル神戸は9月9日の明治安田生命J1リーグ第15節で、川崎フロンターレに2-3で敗戦。トルステン・フィンク監督は「残念ながら負けてしまったが、プレーは非常に良く、チャンスづくりやプレスはうまくいっていた。それをベースにして次節に向かっていきたい」と強調した。

 その次節は12日に、ホームでFC東京と対戦する。「ロングカウンター、ショートカウンターを得意にしている。おそらく我々がボールをキープして仕掛ける試合になる」と分析した指揮官は、「ミスを最低限に抑えること、正確なパスでプレーすることが大事になってくる」とポイントを挙げた。
 
 また警告累積で出場停止となるDF渡部博文の穴埋めについては「メンバーや布陣は言えないが、唯一言えることは、(前節を欠場した)トーマス・フェルマーレンはケガをしていたわけじゃない」とコメント。「明日は試合に出られる」と選択肢の一端を明かしている。

「最近はチームに運がない」とも語った。川崎F戦は2-1と逆転した後に、FW古橋亨梧のシュートがクロスバーに当たるシーンがあり、3-1となっていれば、さらに優位に進めることができたはずだ。

「クロスバーに当たったり、数センチで外れたり。審判員のせいにしているわけではないが、前節は我々にもPKを与えてくれていいシーンが、いくつかあった」。そうコメントした指揮官は、「それ以外にも主力選手、ベテラン選手がいないが、彼らが復帰すればチームのプラスになる。そういった選手が戻ってくるまで耐え抜く力を、いまの選手は持っていると思うので、全員でカバーしていきたい」と総力戦への意気込みを示した。
 
 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に関するぼやきもあった。新型コロナウイルスの影響で中断しているACLは、10月から11月に残りのグループステージとトーナメント1回戦が、マレーシアで集中開催されることになっていた。ところがアジアサッカー連盟は9月10日になって、11月15日から12月13日に延期することを発表している。

 延期された時期に神戸も多くのリーグ戦が予定されており、実施されれば影響が及ぶのは避けられない。「昨日の発表は、事前の報告はなかった。率直に言うと、どう思っていいのか分からない」と語ったフィンク監督は、いま集中すべきは次の対戦相手としつつも「どう捉えればいいのか、一晩寝て考えたが、難しい状況ではあると思う」と心境を明かした。

 神戸はグループステージ2連勝の好スタートを切っている。「以前も言った通り、我々はACLで優勝したい」とアジア制覇への思いを語ったフィンク監督は、「日程はJリーグがうまく調整してくれると思う。今後どうなるかは我々が決めることではない。待ってみるしかない」と静観する考えを示した。