川崎フロンターレの守田英正は9日、J1第15節のヴィッセル神戸戦で、公式戦4戦連続で先発した。相手に先行される苦しい試合となったが、終盤に逆転して勝利。その内容にさらに自信を深めることができたと振り返った。

上写真=先発の機会を取り戻し、チームに白星をもたらしている守田(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月9日 J1リーグ第15節(@等々力/観衆4,778人)
川崎F 3-2 神戸
得点:(川)小林悠、レアンドロ・ダミアン、宮代大聖
   (神)古橋享悟、藤本憲明

先発、サブの枠組みは関係ない

 試合は苦しい展開だった。それでも勝利を収めたが、試合を振り返る言葉には喜びと反省が入り混じる。「今日の試合で満足している選手は、一人もいないと思う。ただ、そういう内容でも勝ち切る力が出てきたなと思う。修正するところは修正するけど、結果は前向きにとらえていいかなと思う」。フル出場した守田英正は、実感を込めて語った。

 ベンチも含めた総合力が、勝負の行方を左右する。この日もそうだった。「途中交代で入った選手が、自信を持ってプレーすること。それが流れを替える要因になる」。何しろ交代出場する選手の重要性、そして気持ちは身に染みて分かっている。「今年は5人が交代できるルール変更もあり、僕自身ももともとそうだったけど、サブと言われる選手もスタート、サブという枠組みだけじゃないというか、誰が出ても力を発揮できるところが今年のいいところだ思う。それが生きたゲームだったかなと思う」。守田の言葉が説得力を増す。

 今季ここまでリーグ戦15試合に出場してはいるが、先発は5試合のみ。連続して先発するようになったのは先月末のことだが、この日で3戦連続先発するに至った。9月2日のルヴァンカップ準々決勝も含めれば、公式戦4戦連続先発。そのすべてのゲームで勝利しており、自信も増していることだろう。それもまた、チームの力となる。

 ルーキーだった一昨年からリーグ戦26試合に出場し、昨季も同23試合に出場した。慣れない状況に陥ったプロ3年目だが、「試合勘や守備は、試合を重ねるごとによくなっていく気はする」と冷静だ。

 出場数が増えていく一方で、変わらぬ数字が一つある。リーグ戦でのゴールが、まだないのだ。

 この日は開始7分、ゴール前でこぼれ球を叩いてシュートを放った。これがハンドを誘発して先制のPKにつながったが、本音を言えば「早く決めたいですね」。誰よりも自分が自身に期待をかけているかのように、楽しそうに笑った。

取材◎杉山 孝