北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗はサンフレッチェ広島戦を前にオンライン取材に応じた。前日には好勝負を演じながら横浜F・マリノスとのルヴァンカップ準々決勝に競り負けたが、ショックを引きずることなく、次なる戦いに向けて気持ちを集中させていた。

上写真=ルヴァン杯準々決勝・横浜FM戦でプレーする福森晃斗(写真◎J.LEAGUE)

ミシャの言葉は、自分たちも誇りに思う

「負けに値するゲームではなかった」「日本で15年やっているが、これだけチャレンジをするチームは見たことがない」。ルヴァンカップ準々決勝、横浜F・マリノス戦の試合後に、ミシャことペトロヴィッチ監督が語った言葉だ。実際、札幌はアグレッシブな戦いを披露し、激しいプレスで横浜FM自慢のパスワークを寸断。3-1で勝利を収めた7月26日のホームゲームの再現とばかりに、優位に試合を進めた。

 しかし、結果は1-1で決着つかず、突入したPK戦の末に敗れた。そのPK戦で、双方ともに4人が決めたのち、札幌5人目のキッカーを務めたのが福森だった。ゴール右隅を狙ったキックは、やや正面へ。相手GK朴一圭に止められ、その後、横浜FMの5人目のキッカー、松原健に決められて、札幌は準々決勝で敗退することになった。

 悔しい敗戦の翌日、オンラインで取材に応じた福森はPKの場面をこう振り返った。

「自分の蹴るコースが、すごく甘かったと思いました。もう少し腰をひねるつもりで、もっと隅を狙ったんですけど、ひねり切れずに、一番キーパーが取りやすい場所に飛んでしまった。サイドネットを狙う気持ちで蹴りました」

 福森は言わずと知れたキックの名手だ。リーグ屈指の直接FKの名手としても知られる。だが、PK戦では、そんな名キッカーが不運に見舞われるケースが少なくない。それがサッカーと言ってしまえば、それまでだが、歴史をひも解いてみても、そういう例を挙げれば枚挙にいとまがない。

 実際、札幌が横浜FM戦で記録した駒井善成の得点も福森のキック技術が『出発点』になっていた。53分、敵陣左サイドでワイドに構えた福森にパスが出る。福森は中央で走り出していた駒井に左足でダイレクトパスを送った。ドンピシャで届いたボールを駒井がワンタッチでアンデルソン・ロペスに落とし、シュート。相手GKが弾いたところに再び駒井が詰めてゴールは生まれた。

 この場面に限らず、その力を存分に示していたが、福森は最後に悔しさを味わうことになった。

「試合後は選手全員に下を向く必要はないとミシャが伝えてくれました。15年間、指揮をとってきて、このようなサッカーを見たことがないと言ってくれていたので、それは自分たちも誇りに思いますし、でもそれに甘んじることなく、継続してやっていくのがチームのためですし、ミシャのためにでもあると思っています。そういう声をかけてくれたということで、自分たちはさらに上に行かなければいけないという思いも強くなりました」

 1週間前に惨敗した横浜FM戦相手にして、再び互角に渡り合えたことでチームは自信を深めることができた。だからこそ、さまざまな思いを胸に秘め、福森は前を向く。

「90分通して、ミシャが求めていた走る部分だったり、球際の部分は、ピッチに立っている選手全員ができていたと思います。データによると前半、相手のシュートが0本で、ああいう強力な攻撃陣を抑え込めたのは今後の自信になります」

 次節(5日)は広島戦。福森は言った。

「個人的には、サポーターの皆さんを(ルヴァンカップの)準決勝、決勝という舞台に連れて行くことができずに申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、すぐ広島戦が来るので、気持ちを切り替えてやっていきます。自分はよりいいプレーをして、一つでも印象に残るプレーや、勝利に貢献できればと思っています。100パーセントでやるだけです」

 ネクストステージには進めなかったが、チームとして横浜FM戦で得たものは多い。それは福森にとっても同じだろう。