FC東京のDF渡辺剛は3日、オンラインで取材に応じ、昨日のルヴァンカップ準々決勝・名古屋グランパス戦を振り返るとともに、チームの現状と、J1の次節、大分戦への意気込みを語った。大卒2年目ながらすでにリーダーとしての自覚が芽生えている。

上写真=東主将が欠場中のため、キャプテンマークを巻いてプレーする渡辺(写真◎Getty Images)

 キャプテンの東慶悟が長期欠場中で、長らくチームを引っ張ってきた橋本拳人、室屋成が移籍した。森重真人や永井謙佑、髙萩洋次郎、林彰洋ら経験豊富な選手たちがいるものの、今季、副キャプテンを務める渡辺剛がキャプテンマークを巻いている。

 東京五輪代表候補チームでゲームキャプテンを務めた経験があり、大学時代もキャプテンマークを巻いていた渡辺だけに、そもそもリーダーシップは備わっている選手だが、本人は「自覚が出てきた」と話す。

「自分が今、キャプテンマークを巻いてやらせてもらっていて、自覚は出てきていますし、試合中も自分が引っ張っていかなくてはいけないという気持ちでいます。そういう部分も徐々に出せてきているとは思いますが、もっともっと先輩、ベテランの選手を見習って、自分の良さも出していかないといけない。ただ個人のプレーに左右されているようではダメなので、チーム全体を見て、まずチームが勝たないと、結果を出さないといけないと思います。そこを見ながら個人の持ち味も出せていければ」

 今季のリーグ戦はここまで14試合すべての出場。うち13試合に先発し、文字通りの中心選手としてチームの屋台骨を支えている。長谷川健太監督の信頼の証でもあるが、本人はまだまだと自身のパフォーマンスに満足していない。

「試合に出させてもらって経験を積めていますが、安定しているかと言えば、まだまだと思っています。もっと失点を減らさないといけないし、勝たないといけない試合を落としてきているので、そういう意味では力不足だと感じています。去年に比べたら安定感は出てきているとは感じますが」

「いままで出場機会がなかった選手も試合に出て活躍できるのが今のFC東京の良いところだと思いますし、自分も含めて出ていることが当たり前じゃないなというのが、外から見たときに感じたことでした」

 リーグ戦で唯一、ベンチスタートとなったガンバ大阪戦(13節/8月29日)は、連戦の疲れを考慮したものだったはずだが、外からチームを眺めることで、危機感も覚えたという。

「いままで出場機会がなかった選手も試合に出て活躍できるのが今のFC東京の良いところだと思います。自分も含めて出ていることが当たり前じゃない。そのこと外からチームを見たときに感じましたた」

 飽くなき向上心と、チームファーストの考えに貫かれたプレー。その姿勢で、その振る舞いで、クラブの顔となる日も近いかもしれない。

 次の試合はルヴァンカップから中2日で迎える大分戦。昨季、自らゴールも挙げた場所でのアウェーゲーム。

「大分はしっかりつないでくるチームだと思います。最近やったチームの中でも特徴的なビルドアップをしてくるチームだと思うので、その組み立てからの攻撃は警戒しないといけない。去年、アウェーで自分たちがやったサッカーをできれば、勝てると思うのでそこはしっかりやりたい。
 大分の試合を見ると、セットプレーからの失点もあったので、自分にチャンスもあると思っています。去年のいいイメージは持っていますね」

 現在、首位・川崎フロンターレと勝ち点差10ポイントの3位につける。入団以来、「自分がいるチームでJ1初優勝を成し遂げたい」と繰り返し話してきた渡辺のことだ。今季、その目標を達成するためには、これ以上ポイントを失うことが許されないと知っているだろう。5日の大分戦。求めるのは、勝利のみ。