上写真＝髪の毛を金色から青に染め直して2ゴールの安部。「青赤魂です」（写真◎J.LEAGUE）
■2020年9月2日 YBCルヴァンカップ準々決勝（@味スタ:観衆3,558人）
FC東京3-0 名古屋
得点：（東）安部柊斗2、アダイウトン
「やりたいプレーをやらせてくれる」
青髪に変えたルーキーが一撃、また一撃だ。JリーグYBCルヴァンカップの準々決勝で、好調の名古屋グランパスを寄せつけない2ゴール。「3-0で勝てて、そのうち2点が自分のゴールだったので、素直にうれしい」「点が欲しかったら、ゴール前に走らないと生まれません。そう考えて走ったら2回ともいいボールが来ました。流し込むだけだったのでチームメートに感謝したい」と、安部柊斗は気持ちよさそうに笑った。
レギュレーションの変更で一発勝負の決戦になった。だからこそ、長谷川健太監督も先制点の重要性を説いてきて、それを実現させたのだから、まさにヒーローだ。しかも追加点まで。
ディエゴ・オリヴェイラが右からセンタリング、中央に走り込んでいた永井謙佑の後ろから入っていってプッシュしたのが、37分の1点目。
「ディエゴが個人で抜いてくれてクロスを入れてくれて、謙佑くんにスルーと言ったらしてくれたので、流し込むだけでした。ディエゴと謙佑くんに感謝したい」
またもディエゴ・オリヴェイラが、今度は左から持ち込んで折り返したボールを左足で蹴り込み、右ポストに当てながら決めたのが、53分の2点目。
「次の1点が勝負と言われていて、それが自分のゴールでうれしいです。ディエゴがいいパスくれて左足で流し込むだけでした。いい形で取れました」
どちらも味方への感謝で生まれたゴールだが、その気持ちはこれだけにとどまらない。長谷川監督が「安定してきた」と評価する4-3-3システムにあって、カギを握る中盤の一人として、そのほかの2人にも感謝でいっぱいなのだ。
「（高萩）洋次郎くんが積極的に声をかけてくれるのでやりやすいですし、僕からも聞いてアドバイスをもらっています。洋次郎くんを中心に3人でやっていけているので、もっともっといいプレーを連係して進めていきたい」
「3人の誰かが前に行くときは、出ていくよという声をかけていますけど、洋次郎くんが上がるときは僕とアル（アルトゥール・シルバ）が絞ったりと声を掛ける前に分かるので、事前に走ることができています」
「自分の特徴は守備で、球際でつついて勝つのは得意なプレーです。長い距離を走って取りにも行きますけど、洋次郎くんとアルがスペースを埋めてくれるので、僕がやりたいプレーをやらせてくれるんです」
自分を生かしてくれる仲間がいる。最高の環境で最高の結果を出した。
これで準決勝進出だ。そこで待つのは、リーグを席巻している川崎フロンターレ。今季はすでに一度戦っていて、7月8日の明治安田生命J1リーグ第3節で0-4という苦々しい敗戦を喫している。
「その負けから成長してきているし、いまの東京なら川崎を倒せます。その試合までリーグ戦でもっともっとまとまって、川崎に完勝したいと思っています」
あの敗戦から3カ月。10月7日のビッグマッチは見逃せない。