名古屋グランパスに移籍したオ・ジェソクが、コンディションを上げてきた。好調のチームに加わった新たな武器になる。次の試合は昨季プレーしたFC東京との決戦だ。JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝で感謝の勝利を誓う。

上写真=サイドバックの競争を高めるオ・ジェソク。さらにチーム力が上がっていきそうだ(写真◎Getty Images)

「誰よりもこの試合を待っていた」

 オ・ジェソクが名古屋グランパスに加わってから、出場3試合目で初めてフルタイムをプレーすることができた。明治安田生命J1リーグ第13節の北海道コンサドーレ札幌戦、アウェーで0-0のドローに貢献した。 右サイドバックとしてピッチに立つと、攻守にアグレッシブなあの姿を見せて、グランパスファミリーを喜ばせた。

「個人的には半年ぶりにスタメンでJリーグに出ることができてうれしく思います。試合の流れは難しさもあったし、その前の川崎戦のように後ろから回すプレーできなかったけれど、チームのスタイルや選手の特徴を感じられて90分出ることができて、コンディションも戻ってきました。チームに馴染んでスムーズに活躍できるように頑張っていきたい」

 相変わらずの流暢な日本語で、歯切れよく元気に答える様子は見ていて気持ちがいい。

「攻撃面では(右サイドハーフの)前田直輝選手とコミュニケーションを取りながらやっていて、攻めに上がってクロスを2回ぐらい出したのですが、精度が低かった。練習でしっかり準備していけばクオリティーは上がっていくと思います」

「チームの約束事を理解するように監督から指示も受けていますし、周りのみんなのおかげでチームの形やフォーメーション、選手の特徴などを理解して、ここから出場していければいろいろなところでうまくいくのではないかと思います」

 ここでフル出場できるまでにコンディションを戻せたのは、抜群のタイミングだったかもしれない。次の試合はJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝のFC東京戦。単なる古巣というだけではなく、「心」を取り戻してくれたクラブだからだ。

「去年のFC東京でのレンタル移籍を通して、サッカーが好きになったんです。純粋な気持ちでもう一度好きになりました」

「若いときはとにかくサッカーだけで、何の目的もなく好きでした。でも、成長しながら純粋な気持ちで好きになることが減ったんじゃないかなという気持ちがありました。日本の中では初めての移籍を経験して、東京では練習の雰囲気が良くてみんな手伝ってくれました。本当に感謝の気持ちを持っています。だから、誰よりもこの試合を待っていたし、試合では恩返しするために活躍して、あなたたちのおかげで成長できました、という姿を見せたいと思います」

 ありがとうの勝利へ。もうイメージはできている。

「前線から激しくプレスをかけてきて、3人ブラジル人や永井謙佑がスピードと気持ちを一緒にして戦ってきます。守備の堅さもあります。でも、こちらが失点せずに、球際や気持ちで負けなければチャンスがあると思います。東京はここ2試合は失点しているので、うちの攻撃力で取ることができると思います」