8月29日、明治安田生命J1リーグ第13節の川崎フロンターレ対清水エスパルスが等々力陸上競技場で行なわれ、川崎Fが5-0の大勝を飾った。ここ2試合白星がなかった川崎Fだが、負傷から復帰して今季初のメンバー入りを果たした中村憲剛がいきなりゴールを挙げるなど、5連戦の最後を見事な勝利で締めくくった。

昨年11月以来の出場となった中村もゴールを挙げ、川崎Fが5-0の大勝を飾った(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月29日 J1リーグ第13節(@等々力:観衆4,798人)
川崎F 5-0 清水
得点:(川)旗手怜央2、レアンドロ・ダミアン、中村憲剛、三笘薫

川崎Fメンバー◎GKチョン・ソンリョン、DFジオゴ・マテウス、山村和也、車屋紳太郎、登里亨平(87分:谷口彰悟)、MF守田英正、下田北斗(69分:大島僚太)、旗手怜央(77分:中村憲剛)、FW宮代大聖、齋藤学(69分:三笘薫)、レアンドロ・ダミアン(77分:小林悠)

清水メンバー◎GK大久保択生、DF金井貢史(61分:石毛秀樹)、岡崎慎、立田悠悟(84分:川本梨誉)、奥井諒、MFヘナト・アウグスト、竹内涼(72分:河井陽介)、中村慶太、FW金子翔太(72分:鈴木唯人)、カルリーニョス・ジュニオ、西澤健太(61分:ジュニオール・ドゥトラ)

川崎Fのバンディエラが復帰

 中2日で5連戦のラストを迎えた川崎Fは、前節から先発メンバーを8人入れ替えて臨んだ。試合開始早々から齋藤が左サイドから持ち込んで惜しいクロスを送るなど、チャンスを得た選手たちが躍動する。

 勢いそのままに先制点は川崎Fに生まれる。21分、GKが飛び出した清水ゴールへの長いループシュートはDFに弾かれたものの、相手のミスを誘ってボールをつなぐと旗手がエリア手前からシュート。この一撃がDFに当たってコースも変わり、ゴールネットを揺らした。

 前半は1-0で終了し、両チームともハーフタイムに選手を変更することはせず、流れも変わらない。すると51分、左サイドから持ち込んだ齋藤のシュートはGKに弾かれたが、登里がゴール前で再びボールを拾い、冷静に右へパス。最後はレアンドロ・ダミアンが丁寧にゴール前の混戦を射抜いて、追加点を挙げた。

 清水はなかなかチャンスをつくれず、53分に金井がクロスからゴール隅へ放ったシュートもGKに防がれた。61分には2人同時交代と手を打っていくが、流れを変えるには至らない。

 川崎Fも69分に2人同時に交代させると、飲水タイム直後の74分には相手が寄せてこない一瞬を逃さなかった旗手がロングシュートを決めて追加点。さらに77分に2人同時でカードを切ると、大ケガから復帰した中村が昨年11月以来の出場を果たした。

 すると、等々力に愛される背番号14がいきなり魅せる。85分、GKからボールを受けた清水DFのパスが乱れたところに走り込み、すかさずワンタッチシュートでGKの頭上を抜く。ひと際大きな拍手でピッチに迎えられたバンディエラが、自らのゴールで復帰戦を彩った。

 87分には交代出場していた三笘がドリブルで力強くゴールににじり寄り、DFとの競り合いにも負けずにチーム5点目を記録。川崎Fが、圧勝で勝ち点3を積み上げた。

 この勝利に、鬼木達監督も「今までなかなか出られなかった選手もチーム一丸となって戦えた一戦だと思うので、これを次にもつなげていきたい」と満足げ。清水のピーター・クラモフスキー監督は「相手にプレーで上回られた」と脱帽だった。

現地取材◎杉山 孝 写真◎J.LEAGUE