明治安田生命J1リーグで2位のセレッソ大阪。ここから9連戦が待ち構えているが、リーグ全試合フル出場を果たしている松田陸は、疲れをもともしない。同じ右サイドの坂元達裕との連係で勝利に向かって走り続ける。

上写真=リーグ戦全試合フル出場。右サイドは松田が支える(写真◎Getty Images)

「もう一度、引き締めないと」

 まったくタフな男だ。明治安田生命J1リーグはここまで12試合を消化して、松田陸は12試合フル出場。右サイドバックとして攻守に躍動している。

 連戦の合間で2日のオフ。「疲れはすべて取れました!」と明るく答えるところがこの人の元気の証だろう。その快活な受け答えは、ピッチを所狭しと駆け回るプレースタイルと同じだ。

 とはいえ、本音は「連戦は正直きつかった」。この小休止の前は5連戦で、最初の3試合を2勝1分けで終えたものの、第11節の川崎フロンターレ戦で2-5という大敗を喫した。

「あまり失点しなかった中であれだけ取られて、もう一度、引き締めないといけないと全員で話して仙台戦に挑めました。そこでは自分たちでしっかりプレスをかけられるようになったし、話し合ったことが良かったですね」

 負けを負けのままにするつもりはなかった。

「フロンターレに大敗しましたけど、すぐに切り替えて(ベガルタ)仙台戦が来て、そこでしっかり勝ちきることができました」。黒星のあとの2-1の勝利は、チームに大きな自信をもたらした。「連敗しないのが強いチームなので、そこで勝てたのがいまのセレッソの強み」と胸を張る。

 ここまでのチームの大きな話題の一つが、右サイドハーフに入った坂元達裕のブレイクだ。左利きを生かして、深く鋭く切り返してからの縦突破とカットインからのシュートを組み合わせたドリブルが冴えに冴えている。同じサイドを担う「相棒」の躍動には目を細めるばかりだ。

「タツにいい状態でボールが入るようにできるかが僕の仕事だと思っています。タツと話し合いながらいい関係でやっていきたい」

「チーム戦術として僕が中に入ったりというところは毎試合、言われています。タツの調子がいいので、タツが外に張って1対1を仕掛けられるようにしたい。そのために僕が中に走ったりすることは、あまり頭で考えずに体で行動できていると思います」

 次節は横浜FC戦。相手の左サイドには、爆発的なスピードで売り出し中の松尾佑介がいる。「直接対決」を迎えることになる松田は、どう対応するつもりだろうか。

「確かにポイントになると思います。でも、いい選手とは何度も対戦してきています。だから毎回、大変なんですけど、いかに相手の良さを消しながら自分の良さを出していくかが大事ですね」

 出てきたければ出てくればいい。その裏をタツが突く。そんなイメージだろうか。

 9連戦のスタートとなる横浜での一戦は、「右サイド」に注目だ。