鹿島アントラーズのザーゴ監督がFC東京戦を前にオンライン取材に応じた。7月26日の前回対戦(J1第7節)ではホームで2-2の引き分け。敵地に乗り込む今回の対戦(明日26日)で、指揮官は勝利をつかむためにどんなビジョンを描いているのか。

上写真=FC東京戦へ意気込みを語った鹿島のザーゴ監督(写真◎Getty Images)

得意のカウンターはやらせない

 FC東京とは今季2度目の対戦になる。前回は1カ月前。ホームで対戦し、2-2と引き分けた。ザーゴ監督は、反省点を踏まえてこう振り返る。

「前回対戦したときには、試合の主導権を握りながら点を取りましたが、そこからセットプレーで2失点してしまったというところが反省点です。最後には同点に追いつきましたが、遠藤康のループシュートが入らない不運もありました。今回の対戦では、一つは自分たちの取り組んでいるサッカーをしっかり表現すること、二つ目は相手の長所を消していくことが重要」

 前回の失点は、左右のコーナーキックからだった。森重真人、渡辺剛という二人のCBに得点を許すことになった。先制しながらセットプレー二つで追いつかれ、逆転された。今季の鹿島はそのほかの試合でもセットプレーからの失点が多く、この部分については明確な改善点に挙げられる。指揮官もその点には認識しており、練習でも繰り返し修正しているという。以前にも「集中力」や「相手よりも先に触る」などベーシックな部分の確認と徹底のほか、人に付くのか、地域を分担して守るのか、それらを併用するかなど、守り方そのものについても言及していた。FC東京戦を前にあらためて「失点の形を反省し、改善する」ともコメントした。

 相手の長所を消す、という意味においては次のような発言もあった。
「相手の長所はカウンターです。リスクマネジメントを徹底しないといけない。前の選手のスピードを生かしていくというやり方なので、そこはやらせてはいけないと思っています」

 永井謙佑(アダイウトン)、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロの3トップを生かしたFC東京のカウンターは強力だ。深い位置からでも一気に敵陣に運び、仕留めてしまうスピードと迫力がある。ビルドアップを引っ掛けられて、攻め込まれることは避けたい。しかしながら安全策ばかりでは自分たちが取り組むビルドアップがままならない。とすれば、攻撃から守備に転じる際の切り替えの早さがポイントになるのではないか。そこで相手を上回ることこそが、リスク管理にもなる。

「ガンバ大阪戦のように、立ち上がりから集中力、注意力、強度というものを出せれば、おのずと結果はついてくると思っています」

 勝ち切れなったG大阪戦ではあったが(1-1)、指揮官は内容自体には手応えを感じていた。中2日での連戦が続く中、選手起用に関する質問に答える形でこう発言した。

「チーム全体を変えるということはない。いい状態できているから。ただ、3試合連続で出ている選手もいるので、疲労の状態を見ながら起用を決めたいと思っています。試合の2日後に疲労の測定をしていますが、そこでしっかりと見極めたい。あまり多くの選手を代えると、チームがようやく成熟し始めているところなので、かえってよくない。部分部分、ポイントで選手を代えていくことになると思います」

 広瀬陸斗のケガや内田篤人の引退により、右サイドバックの人選も気になるところだが、指揮官は「(永木)亮太や伊東(幸敏)がいます」と十分に戦えると説明し、不安要素はないとした。

 今回の対戦は中2日という厳しい条件下のゲーム。とはいえ、チームが成熟しつつあるなら、やはり前回対戦よりも成長した姿を見せたいところだ。分かりやすいのは、前回以上の結果を手にすること。それすなわち、勝利であるーー。