リーグ戦で連勝を飾った横浜FCの下平隆宏監督が清水エスパルス戦(22日)を前にオンライン取材に応じた。ともにポゼッション志向の強いチームスタイルであることから、指揮官は「握り合い」になると展開を予想。その上で「3連勝を狙う」と話した。

上写真=試合中に選手に指示を出す下平監督(写真◎J.LEAGUE)

これはチャンスなので(下平監督)

 湘南戦、鹿島戦とホームで連勝し、明日の清水戦に3連勝がかかる。下平隆宏監督は「選手はだいぶ疲れてきていますが、何より勝ってきていることは大きいので、その勢いをしっかり継続して3連勝を狙いたい。これはチャンスなので」と意欲を示した。

 勝敗を分けるポイントについては「握り合い」と指摘。ともに今季からポゼッション率を高かめるべくチーム作りを進めてきたが、ボールを握った方がゲームを制すとした。

「どっちがしっかりボールを持てるか、ということになると思います。清水もそういうチームになってきている。逆に言えば、相手の守備は鹿島とは異なるというところでスペースを見つけられそうなので、そこをうまく突いていければ、勝機はあると思っています」

 具体的な説明はなかったものの、清水のサイドバックはビルドアップに加担するため、本来の場所を離れて内側に入り、頻繁に『ボランチ化する』。その空いたスペースを使うのが、一つの狙い目か。

 サイドバックが加わった中盤中央では、数的不利となることも予想されるが、下平監督のこと、それをいかに回避し、逆に利用していくか、すでに策を巡らせていることだろう。問題は、選手に疲れの蓄積が見られる中で、どの程度顔ぶれを変更し、戦術的な狙いを実行できるかだ。指揮官は「状況によって多少は手を加えるものの、大きなメンバー変更はない」と、清水戦に向けて話している。

 清水と似たスタイルの横浜FM(6節)と対戦した試合で横浜FCは、スタートからマンツーマンでハメにいく、真っ向勝負を挑んだ。最初はボールを奪ってうまく攻撃に転じることができていたが、徐々にマークをはがされるようになると、守備で後手を踏み、結局0-4で敗れている。現在はそのときとは異なり、システムを3-5-2から4-4-2に変更。守備のバランスが改善し、前から行くときと後ろで構えるときのメリハリが出てきた。むやみに前からハメに行って、ガス欠状態になった横浜FM戦と同じ轍を踏むことはないだろう。

 清水戦は、8月1日に始まった真夏7連戦の最後のゲーム。中2日で臨むこの試合を終えると、次節まで8日間、間隔が空く。初の3連勝で締めくくることができるか。下平監督の手腕に注目だ。