今年の元日に天皇杯を制し、次なるタイトル獲得を目指す今季のヴィッセル神戸だが、リーグ戦ではここまで3勝4分け3敗と波に乗れない。18日のオンライン取材に応じたGK飯倉大樹はチームの現状に危機感を示し、復調への課題を語った。

上写真=昨年7月から神戸でプレーするGK飯倉(写真◎VISSEL KOBE)

「いまはチーム状態が良くない」

 前節の鹿島アントラーズ戦は2-1とリードしながら、後半アディショナルタイムに追いつかれて勝ち点3を逃した。直前のプレーでFW藤本憲明が敵陣でボールを失い、そこからカウンターを仕掛けられて失点となったが、飯倉は「ノリ(藤本)は途中から入ってきたので、結果を出したいという気持ちは選手なら理解できる」と時間稼ぎを選択しなかった藤本を擁護しつつ、「チームとしてどう終わらせるか、どういうふうに戦っていくかをもっと理解しないといけない」と語った。

 最後尾からチームを見つめる飯倉は「ボールを出したあとの動き直しが少なく、ボールを持っている選手の出しどころがない」と問題点を指摘し、「昨年からやっている神戸のサッカーを相手は分析して対策してくるので、それをかいくぐるだけの戦術をみんなで築き上げていかないと、最後の終わらせ方の部分にも影響が出てくる」と話した。

 なかなか波に乗れないチームのなか、飯倉個人は安定した働きを見せているが「自分のプレーが勝利に直結していないところを考えると、自己評価はそんなに高くない。昨年勝てていたときは、自分のパフォーマンスとチームのパフォーマンスが比例していたので、満足していない」という。

 昨夏に加入し、シーズン後半戦の快進撃を導いた守護神は「いまはチーム状態が良くない」と危機感を募らせつつ、復調へ近道がないことも知っている。

「この連戦でいろんな選手が出ると思うし、いろんな組み合わせができると思うので、良いところを見つけて、それを積み重ねていくほうがチームとしていいのかなと思っている。経験値の少ない若い選手も出ると思うけど、今年に限っては降格もないし、ここからできることはチーム状態を良くして、選手の質を上げて、チームのレベルを上げていくことだと思う」

 過密日程の今季は試合を戦いながらチームを立て直すしかない。19日には前節から中2日で柏レイソルと対戦する。J1得点ランクトップのFWオルンガ擁する柏について飯倉は「ブロックを作ってそこからカウンターをしてくる」と警戒し、「自分たちのやりたいサッカーとリスクのバランスをどう取るかが大事」と、理想と現実を見極める必要を訴えた。