8月16日、明治安田生命J1リーグは第10節が開催され、鹿島アントラーズはヴィッセル神戸とカシマスタジアムで対戦。後半アディショナルタイムに同点に追いつき、辛うじて引き分けに持ち込んだ。この日、ゴールを守ったのは、18歳のルーキー、山田大樹だった。

上写真=J1初先発出場し、90分にわたりゴールを守った山田大樹(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月16日 J1リーグ第10節(@カシマ:観衆4,766人)
鹿島 2-2 神戸
得点:(鹿)エヴェラウド、荒木遼太郎
   (神)ダンクレー、郷家友太

身長190センチの大型守護神

 190センチの長身を備える大器が、鹿島のゴール前にドンと構える。7年前の夏は全日本少年サッカー大会で日本一に輝くなど、小学生時代から鹿島一筋で成長してきたGK山田大樹が、4日前のルヴァンカップ清水戦に続いて先発のピッチに立ち、J1デビューを飾った。

「ルヴァンカップのときと同様に自分のキックからチャンスを作る意識で(試合に臨んだ)。前の試合でできたこと、できなかったことをしっかり分析して、今日(の試合に)挑みました。特に緊張はなく、その前の試合の反省点を生かして、しっかりやろうという気持ちで入りました」

 守備では2失点したものの、前半33分にはFWドウグラス、後半11分にはDFダンクレーのシュートを好セーブで防いだ。そして、「短いパスも、長いパスも出せるのが自分の特長」と話すように、攻撃では最後尾のパサーとして、味方にボールを配給した。

 随所で好プレーを見せていたが、山田は満足した表情をまったく浮かべない。求めるのは、勝利という結果のみだからだ。

「自分が(試合に)出ても、誰が出ても、やはりアントラーズは勝たないといけない。もっと高いところを目指して、個人的にも、チームでも、レベルアップしていかなければいけません。(先発で)使ってくれた監督に感謝し、次は勝てるようにと思っています」

 鹿島ユースの先輩でもある曽ヶ端準、沖悠哉、そしてこの日ベンチから山田をサポートしたクォン・スンテの思いも胸に、18歳の守護神はこれからも日々、成長していく。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE