写真◎Getty Images
PKによる1点に泣いたサンフレッチェ広島のGK大迫敬介は悔しさを感じながらも、敗戦の中で貴重な経験を積んでいだ。無失点に抑えた浦和レッズの守護神・西川周作からは大きな刺激を受けていた。
上写真=PKによる失点で悔しい敗戦。大迫は糧にすると誓った(写真◎Getty Images)
PKを止めたら勝ち点1でも拾えた
たった一度のピンチで失点を招いた。開始5分、カウンターを浴びて、一瞬のスキを突かれる。レオナルドのスルーパスで背後を取られたハイネルが慌てて対応し、汰木康也をひっかけてしまったのだ。
痛恨のPK献上。21歳の守護神はキッカーのレオナルドをにらみつけるように堂々と向き合ったが、相手のほうが一枚上手だった。鋭く飛んだ逆側にボールを流し込まれる。東京五輪世代の代表GK大迫敬介は、決められて当たり前のPKでの失点を悔いた。
「あのPKを止めたら勝ち点1でも拾えました。PKになる前のシーンも、うまく対応していれば、未然に防げたと思います。1本だけだったので悔しいです」
相手側のゴールマウスを守る大先輩の姿には大きな刺激を受けたようだ。前半からビッグセーブを連発して、チームを鼓舞する姿は脳裏に焼き付いた。元広島の西川周作に敬意を払い、賛辞を送った。
「スーパーセーブもありましたが、あの存在感ですよね。チームを引っ張っていく存在感は学ぶべきだと思いました。反対側のゴールを守っていても、声は聞こえましたし、存在感は伝わってきました」
リーグ再開後は2試合に先発した後、3試合連続でベンチ。
「ピッチの外から見ることで、自分のやるべきことが見えた」
そして、8月1日の横浜FC戦から先発に復帰し、2試合連続で無失点に抑えて2連勝に貢献した。この日はワンプレーに泣かされたものの、下を向かずに敗戦を糧に成長することを誓っていた。
取材◎杉園昌之