8月15日に行われたJ1リーグ第10節で、注目の一戦となったのが、勝ち点16の暫定5位・柏レイソルと同18で3位のセレッソ大阪との上位対決。ゲームを通じて柏がほとんどの時間を支配していたが、結果は内容と逆になった。

上写真=柏のヒシャルジソン(黄色)とC大阪の奥埜博亮のバトル!(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月15日 J1リーグ第10節(@三協F柏:観衆2,603人)
柏 1-3 C大阪
得点:(柏)オルンガ
   (C)ブルーノ・メンデス、オウン・ゴール、西川潤

C大阪は「不快な前半」だったが…

 今日はレイソルの日ではなかった。

 そんな風に表現できそうなゲームだった。気温32.8度、湿度59%という厳しい条件にも、影響を感じさせないのが柏レイソル。これまで通り1トップのオルンガの近くで仲間隼斗、江坂任、瀬川祐輔の2列目が小気味よく動き回り、そこに右の高橋峻希、左の三丸拡とサイドバックが加わって攻め続けた。

 左右からの大きなクロスでファーから狙ったり低いセンタリングにニアで合わせたり、サイドバックやサイドハーフが奥深くまで入り込んで折り返したり、中央からワンツーで打開したりショートパスのコンビネーションで破ったり、ミドルシュートで狙ったり、とあらゆる攻撃パターンでゴールに迫っていくのだが、どうしても決まらない。

 セレッソ大阪は全般的に活力に欠け、ロティーナ監督も「不快な前半」と渋い顔をするほど。柏のプレスの勢いをそのまま受けてしまってピンチの連続だった。5分に自陣から前線へ送った松田陸のきれいなミドルパスで抜け出したブルーノ・メンデスが、清武弘嗣に預けてリターンをもらい、右足で丁寧にゴール左を突いた先制ゴールの瞬間だけ、狙いがはまった。

 後半も大勢は変わらなかったが、またもやゴールを決めたのはC大阪の方。55分に左寄りからのFKを清武がゴール前に入れると、ファーサイドで飛び込んだ柏DFに当たってオウンゴール。87分にもカウンターから柿谷曜一朗がドリブルで持ち出し、右前にパス、裏に抜けて走っていた西川潤がGKの出鼻を突いて左足でループシュートを決めるプロ初ゴールで3-0とした。シュート6本で決めた効率的な3ゴール。

 柏はそれ以外の時間帯では前半同様に攻め続け、あの手この手でゴールに迫るがやはり決まらない。ようやく手にした88分の得点も、C大阪のGKキム・ジンヒョンのクリアミスをオルンガが蹴り込んだプレゼントゴール。終わってみれば、圧倒的に攻めて攻めて攻めた柏を、C大阪が守って守って守って抑え込んだ勝利だった。

 その内容を反映して、勝ったロティーナ監督が「自分たちのサッカーという点ではいい試合ではなかった」と静かに振り返り、負けたネルシーニョ監督の方が「ボリューム、ポゼッション、フィニッシュで上回った」と胸を張った。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE