鹿島アントラーズのザーゴ監督が15日、オンラインで取材に応じた。現在のチーム状態について評価するとともに、明日のヴィッセル神戸戦に向けた意気込みを語った。リーグ戦3連勝を成し遂げるポイントは「アグレッシブさ」にあるという。

上写真=神戸戦に向けてしっかりトレーニングしたと語ったザーゴ監督(写真◎鹿島アントラーズ)

相手のパスワークを遮断する

 カップ戦を含めたここ5試合すべてが複数得点を記録し、J1の前節鳥栖戦はクリンシートを実現。攻守ともにかみ合うゲームが増えてきた事実に、指揮官も手応えを感じている。

「確かに守備の部分で良くなって感触はあります。守備というとゴール前を守ると考えがちですが、私はボールを自陣に入れさせないというところから守備が始まると思っています。ですから前の方でしっかり連動して守れるようになってきました。極端に言えば、後ろ向きではなく前向きに守備することを求めていて、それを選手たちが理解するようになってきました。
 同時に、ここ数試合でカップ戦も含めて攻撃陣が11ゴールを取っていて、チャンスをモノにすることができている。守備だけではなく攻撃も改善できているということが、数字上からも分かるのではないかと思います」

 戦術の浸透と元来の持ち味の融合が徐々に進んでいる印象も受ける。オープンプレーから生まれた得点には連動性が見られ、セットプレーで人を捕まえ切れてない部分はまだあるものの、鳥栖戦では集中力を切らすことなく、堅い守備を実現した。「もっともっと精度を上げ、質を高めていかなくてはいけない」としながらも、ザーゴ監督はいい方向に進んでいるとチームの成長を評価している。

 明日、対戦する神戸は現在10位で、12位の鹿島との勝ち点差は2ポイント。勝てば上位への扉を開くことになる一戦だ。

「神戸戦のためのメンバーを準備してきました。相手はパスワークを主体としていて、技術的にも非常に優れた選手が多いですが、そのパスワークを遮断をしなくてはいけないと考えています。そのための練習にも取り組んできました。どのチームにもいくつかの弱点はあるので、練習の中でそこをうまく見いだして突いていくように、やってきました」

 対策の中身はもちろん明かせないが、相手のパスワークを分断できるかどうかにポイントを置いているようだ。

「一番重要なのは自分たちのアグレッシブさ、インテンシティーの高さを試合開始から出すこと。それができれば、おそらく良い結果を得ることができると思いますし、少しでも上位陣に近づくことができると思います」

 描いているのは後方からつなぐ相手のパスをハイプレスで遮断し、ボールを奪取から一気にゴールを陥れる形か。熱帯夜となることを考えれば、90分間、アグレッシブであり続けるのは難しい。狩りにいった時間帯に仕留められるかどうか。指揮官は「試合開始から」と話した。鹿島の前半の入り方に、注目だ。