Jリーグは13日、サガン鳥栖の選手・スタッフに複数名の新型コロナウイルス陽性判定者が発生したことを受け、当該クラブからこれ以上の感染が広がらないことが十分に確認されるまでの間、当該クラブに関係する公式試合の開催を中止すると発表した。

上写真=鳥栖のトップチームは25日まで活動休止となっている(写真◎J.LEAGUE)

集団感染がJリーグから出たことを重く受け止める(村井チェアマン)

 鳥栖は昨日、8月25日までトップチームの活動休止を発表していたが、Jリーグは15日のホーム・ガンバ大阪戦、19日のアウェー・ベガルタ仙台戦、23日のホーム・北海道コンサドーレ札幌戦の中止を決定した。

 今後鳥栖は行政指導のもとで、集団感染が発生した場合のチーム活動のプロトコル(※)に基づき、感染拡大防止のための行動管理を行なう。なお、新たな試合開催日程については決定次第、発表される。集団感染が発生した場合のチーム活動のプロトコル(要旨)は以下の通り。

◎陽性判定者は行政当局の指導に従い静養し、復帰を目指す
◎現在、陰性判定を得ている者も「濃厚接触者」とみなし自主隔離する
◎自主隔離とは不要不急の外出を控え、自宅待機が原則
◎自主隔離中のトレーニングは以下の点に留意する
①チームトレーニング、グループトレーニングは不可
②コーチングスタッフの集合ミーティングは不可。遠隔ミーティングのみ許容。
③自主隔離後7日間経過まで、自宅トレーニングにとどめる
④自主隔離後8日目以降、クラブのトレーニンググラウンドを利用してのトレーニングが可能

 Jリーグの村井満チェアマンは、今回の決定に伴い、以下のコメントを発表した。

「試合を楽しみにしてくださっていたファン・サポーターの皆様に深くお詫び申し上げます。また、Jリーグクラブにおいて集団感染が発生したことに対し、ホームタウンの地域の皆様をはじめ、多くの皆様方にご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
 日頃から選手やチームスタッフの皆さんには、厳格なプロトコルによる行動制限をお願いしており、自身や家族の身を守りながら、勇気をもってフィールドに立ってくれております。懸命な努力をしている中でもこうした事態が起こりえることに、改めてこのウイルスの脅威を痛感しています。幸い、重症化している者はおりませんが、治療に専念し一日も早い回復を願っています。

 Jリーグはこれまで、感染症ガイドラインを策定しながら、できうる限りサッカー活動を続けていく方針で活動してまいりました。しかしながら、今回、同一クラブから多数の陽性判定者が出たことで、行政サイドによって濃厚接触者を特定することが物理的に困難であることから、これ以上、感染が拡大しないことが十分確認できるまでの間、当該クラブの活動を一定期間自粛し、その間の当該クラブに係る公式試合の開催を中止することを決定いたしました。
 私たちは、集団感染がJリーグから出たことを重く受け止め、当該クラブだけの問題にとどめず、リーグ全体の問題ととらえています。ガイドラインの見直しはもちろんのこと、練習や試合ありきではなく、感染拡大を封じ込めることを第一の基軸とおき、あらゆる策を講じ、これ以上の感染拡大を防ぐための最大限の努力をしてまいります」