JリーグYBCルヴァンカップのプライムステージに出場を決めた川崎フロンターレ。名古屋グランパスとのグループステージ最終戦を2-2として突破したが、そのゲームで2点ともに絡んだのが宮代大聖だ。自然に口にした成長とは?

「結果も出ていませんから」

「爪あとを残す」の言葉が、今季2試合目の先発ゲームで現実になった。

 8月12日、名古屋グランパスとの対戦となったJリーグYBCルヴァンカップグループステージ最終節。開始早々の1分にいきなり先制される波乱含みのスタートだったが、すかさず6分に追いつくシーンで宮代大聖が牙をむいた。

 田中碧のミドルシュートが相手に当たったボールが、目の前にこぼれてくる。しっかりステップを合わせて踏み込んで、右足を振り抜いた。鋭いショットがゴールに向かって飛んでいく…のだが、GKにセーブされてしまった。「自分の中では冷静さを保とうとしていましたが、すべて結果論になるけど入らなかったので…」と悔やんだが、こぼれたところで三笘薫がプッシュして同点とした。「でも、得点につながったので、そこは良かったです」と一安心だった。

 その1分後にまた突き放される嫌な流れだったが、前半のうちに再度追いつくのがさすが川崎F。右からの大島僚太のクロスを最後にファーサイドでヘッドで押し込んだのはまたも三笘だったのだが、その手前に飛び込んでいったのが宮代だった。名古屋の中谷進之介と駆け引きしながら、クロスが入る前に数歩、バックステップを踏んで相手を引き連れ、目の前にスペースを作っておいてから、ベストのタイミングでそこに飛び込んだ。ダイビングヘッドを試みながらボールにわずかに触れなかったが、クリアしようと同じく突っ込んできた中谷も道連れにしたことで、ボールはそのまま奥の三笘に届いたのだった。

「僚太くんが持ったときに自分も飛び込もうと思っていて、駆け引きして相手の前に入って先に触ろうと思いました。潰れようと思ったわけではないんですけどね」

 自分で狙おうとしたからこそ、つまりフェイクではなくリアルなアクションだったからこそ、相手も抑えにかかるために体を投げ出すしかなかったのだ。

 2-2のドローの2点ともに絡んだ。それなのに、反省しか口をついて出てこない。

「久しぶりの先発でしたし気持ちも入っていたゲームでしたけど、自分のパフォーマンスはまだまだ納得がいっていません。結果も出ていませんから。今日の試合を次への反省として生かしていきたいと思います」

 やはり、ゴールに飢えている。

 でも、自然に口にした成長もある。2点目のシーンについてだ。

「正直、クロスの入り方は自分の中では最近になってやっとつかんだ感じなんです。もともとそんなにクロスで決められる選手ではなかったんですけど」

 川崎Fの一員として初めてのゴールを記録するためには、こんなところにヒントがあるかもしれない。