8月12日、YBCルヴァンカップ・Dグループ第3節の湘南ベルマーレ対ガンバ大阪がShonan BMWスタジアム平塚で行なわれ、G大阪が2-1で勝利した。すでにグループステージ敗退が決まっていたG大阪だが、2人の10代が先発するなど若手を多く送り出すと、17歳のFW唐山翔自が2ゴール。意地を示す格好で勝利した。

上写真=起用の期待に応えてゴールを挙げ、喜びをあらわにするFW唐山(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月12日ルヴァンカップ・グループステージ第3節(@BMWス:観衆4,236人)
湘南 1-2 G大阪
得点:(湘)山田直輝
   (G)唐山翔自2

・湘南メンバー◎GK富居大樹、DF舘幸希、大野和成(46分:大岩一貴)、田中聡、MF畑大雅(74分:古林将太)、齊藤未月、三幸秀稔(74分:茨田陽生)、馬渡和彰、FW中川寛斗(83分:松田天馬)、大橋祐紀(46分:岩崎悠人)、山田直輝

・G大阪メンバー◎GK石川慧、DF菅沼駿哉、黒川圭介(74分:市丸瑞希)、タビナス・ジェファーソン、松田陸、MF福田湧矢(64分:白井陽斗、74分:山口竜弥)、奥野耕平、山本悠樹(85分:塚元大)、川﨑修平(74分:芝本蓮)、FW高木大輔、唐山翔自

若きストライカーが躍動

 すでにDグループの首位は柏レイソルで決まっており、ガンバ大阪はグループステージ敗退が決定していた。湘南ベルマーレは各グループ2位4チームのうちトップとしてプライムステージへ進むべく試合に入った。

 落雷の恐れがあるためキックオフを30分ずらして始まった試合で、最初に勢いを出したのは湘南だった。全体の前へと仕掛ける意識が強く、10分には右サイドからのクロスに山田が飛び込み、わずかに枠を外れたもののファーサイドで惜しいシュートを放った。

 序盤は押し込まれたG大阪だったが、セットプレーに活路を見いだす。12分に敵陣で最初のFKを獲得し、キッカーの山本が低く速い弾道で送ると、ファーサイドで唐山翔自が頭できれいに合わせて先制した。

 湘南も負けじと直後にFKで惜しい場面をつくると、そのプレーで奪ったCKで追いつく。ファーサイドで大橋が折り返して生じた混戦から、山田がバイシクルシュート。豪快なゴールが決まり、スコアを1-1とした。

 その後も湘南がボールを持つ時間帯が長かったが、G大阪の素早い攻守の切り替えが威力を発揮する。39分、再三にわたり縦パスを打ち込んでいた山本が素早く縦パスを送ると、続くスルーパスに抜け出した高木がボックス内で折り返し。ボールは相手DFに当たったものの、走り込んでいた唐山が冷静に勝ち越し点を決めた。

 開始から2人を交代させて入った後半、湘南は縦への突破の意識を強めるとともに、やり切るプレーを増やしていく。それに伴い獲得したセットプレーでは馬渡が質の高いボールを送り、惜しい場面を創出するが、ゴールには至らない。

 湘南が押す展開が続く中、後半半ばを過ぎると互いに次々カードを切っていく。湘南は攻めを厚くしようとするが、焦りが目立つようになり、最終ラインにフレッシュな選手を送り込んだG大阪を崩せない。スコアはそのまま動かず、G大阪が逃げ切った。

 宮本恒靖監督は選手たちのハードワークを称えつつも、若きストライカー唐山を「2点取るのは想定外だった」と称賛。敗れた湘南の浮嶋敏監督は、「終始押す内容の時間が続いたが、サッカーに優勢勝ちはない。本当に勝負が決まる瞬間のプレー、それを感じ取れて、あと10センチ頑張る部分が足りないゲームになった」と語った。

取材◎杉山 孝