J1の川崎フロンターレは10日、オンラインで取材に対応した。先日のJ1第9節、大分トリニータ戦でついに来日後初出場を果たしたジオゴ・マテウスは、Jリーグデビューを喜びつつも、これまで通りに努力を続けると語った。

上写真=9節の大分戦でJデビューを果たしたジオゴ・マテウス(写真◎Getty Images)

セットプレーではキッカーを務める

 ジオゴ・マテウスは今季、ブラジルのコリチーバから期限付きで加入した。だが、同じく新加入の山根視来が右サイドバックとして好調を維持しており、なかなか出番がまわってこなかった。

 我慢の時間が続いたが、謙虚な27歳は「監督やチームメイトにリスペクトの気持ちを持っているし、個人よりチームの結果を大事にしている。自分が出られないときはチームメイトを応援して、準備していた」と語る。その努力の様子は、鬼木達監督も「チーム全員が認めるくらい、一生懸命やってきた」と称えるほどだ。

 ただし、鬼木監督は「一生懸命やっていれば試合に出られるわけではない」と、いまの川崎Fのチーム内競争の激しさを語る。裏を返せば、「出場にふさわしいプレーをしてくれていたことが、スタートに入った要因」(鬼木監督)と、真摯な姿勢だけではなく実力が認められての先発だったわけだ。

 デビュー戦で、チームは大分トリニータ戦を圧倒した。ジオゴ・マテウスもゴールにつながるプレーはなかったものの、鬼木監督が「相手を見ながらサッカーをできるという特徴がある。ゲーム(大分戦)の中でもしり上がりによくなってきたと思うので、これからが楽しみ」と評価するプレーぶりだった。

 それでも真面目な助っ人は、「まだ自分の特徴を出し切れていない」と満足しない。キッカーを務めたセットプレーでも、「日本に来てからもセットプレーで繰り返し練習してきた。チームの力になれればと思っている」とゴールに直結する働きを目指す。

 デビュー戦の出来を振り返り、「まだ1試合だし、何パーセントの出来という表現は難しいが、もっともっと磨きをかけて、より良い選手にならなければいけない」。一度も真面目な表情を緩めることなく、さらなる成長を誓った。

取材◎杉山 孝