横浜FCの下平隆宏監督は10日、オンラインで取材に応じ、ルヴァンカップグループステージ第3節、北海道コンサドーレ札幌戦(12日)への意気込みを語った。指揮官は勝利を飾った前節に続き、カズ(三浦知良)が遠征メンバー入りすることを示唆した。

上写真=8月5日のルヴァンカップ、鳥栖戦で先発したカズ(写真◎J.LEAGUE)

札幌戦はハイプレスの攻防をどちらが制すか

 前節のサガン鳥栖戦に勝利し、グループステージ突破の可能性を残す横浜FCは、12日にアウェーで北海道コンサドーレ札幌と対戦する。重要な一戦に臨むメンバーについて、下平監督は前回の構成がベースになると語った。

「ルヴァンのほうは(直前のリーグ戦と異なり)いい形で勝利をしているので、ああいった形でのメンバーでいきたいなと思っています。ケガから復帰している選手もいますし、新しく加わってきつつ選手もいますので、(前回と)多少のスイッチはありますけども、基本的にはリーグに出ていないメンバーが(遠征に)行くと思います。(カズは?) カズさんに関しては変わらず、たぶん行くと思います」

 指揮官は前回の鳥栖戦で先発し、63分までプレーしたカズの遠征メンバー入りを示唆。2戦連続先発の可能性も出てきた。

 その鳥栖戦、直近のJ1ガンバ大阪戦では経験豊富なDF伊野波雅彦、カルフィン・ヨン・ア・ピンが復帰してセンターバックコンビを組み、守備の安定感も増した。2人のキャラクターが4バックの採用を可能にしたと指揮官は話し、ビルドアップの向上とともに守備の安定にも手応えを得つつあるという。実際、G大阪戦の後半は相手を圧倒したが、しかしながら最後に集中力を欠き、突き放された。

「最後にCKにする必要のないところでCKにしてしまったり、マークを外してしまったり、勝ちたいという気持ちの部分が足りなかったのではないか、ということは選手に話しました。ゲーム自体は良かったと思っています。(8月8日のG大阪戦は)後半、圧倒していて逆転するチャンスもあった。ただ、良い内容いいゲームがずっと続いていても勝ち点につながってこない。それはやはり最後のところで気持ちの部分が足りていない。そこは必要なので。良いサッカーするのは当然で、ここからはそれを変えていかないと。勝ち点をちゃんと積み上げるためには(気持ちの部分が)必要だということは選手にも強めに話しました」

 筋肉系の故障を繰り返していたレアンドロ・ドミンゲスやイバ、そして前述の伊野波、ヨア・ア・ピンら戦列に戻ってきて、ようやく本来のメンバーが整ってきた中で、ルヴァンカップを勝ち進むことでチームの自信の獲得と総合力の向上につなげていきたいと指揮官は言う。次節の札幌戦は簡単な相手ではないとしながらも、勝利を目指すときっぱり言った。

「この間、鳥栖に勝ったので、最後札幌に勝てれば、突破する可能性が出てくる。選手たちのモチベーションは高いですし、リーグ戦で出ていない選手が中心になると思うんですけども、リーグ戦で勝てていない中では、ルヴァンカップを次につなげたいという思いもあります。そういう二重のモチベーションがある」

「札幌の攻撃を受ける時間もあるでしょうが、自分たちのスタイルとして、しっかりビルドアップして攻撃を作っていく。札幌もかなりハイプレスをやっているので、そのあたりの攻防でどちらが制すかという流れになるとも思っています。あとは戦う気持ちと勝ちたい気持ちを前面に出していきたいですね」

 決戦の地は気温と湿度に不安のない札幌ドーム。中3日の試合だが、横浜FCが理想とするハイプレスやマンツーマンで戦うには格好の場所だろう。札幌もまたポゼッション志向の強い相手には同様のスタイルで戦うケースが多いが、互いにリーグ戦とは異なるメンバー構成になると予想される中で、どんな微調整を施し、この一戦に臨むのか。注目のゲームは12日、19時にキックオフとなる。