8月8日、明治安田生命J1リーグは第9節が開催され、鹿島アントラーズはサガン鳥栖とカシマスタジアムで対戦。後半に和泉竜司の移籍後初ゴールで先制すると、エヴェラウドが追加点を奪取。守ってはJデビューを飾ったGK沖悠哉を中心に今季初完封を達成した。

ザーゴ監督も絶賛「非常にいい対応ができていた」

 後半の立ち上がりには、続けざまに強烈なシュートを2本浴びた。「シュートストップに関しては、自分がある程度予測したところにボールが来ていました。でも、(後半立ち上がりの)シュートは少しぶれていて、自分としては少し対応が危なかった印象もある。これから試合を見返して、しっかり反省したい」と、失点は免れながらも反省点を口にする。

 鳥栖との緊迫した攻防戦は、後半24分の和泉竜司と35分のエヴェラウドのゴールで制すことができた。鹿島にとっては、今季初の完封勝利。「自分の力で勝てたとは思っていないし、試合に出ている選手はもちろん、ベンチの選手、ベンチ外の選手、全員の力でこの試合に勝てた。みんなの思いが一つになったので、無失点で勝てたのではないかと思います」と謙遜するも、試合終了の笛の音が響くと、町田、犬飼智也、関川郁万、小泉慶といったディフェンスラインの選手たちが、沖の元へと駆け寄ってきた。

「この試合に勝てたこと、デビューして勝てたことは、すごく自信になった。そのうれしさと、チームが無失点で勝てたうれしさと。(チームメイトへの)感謝の気持ちを込めて試合に臨むこともできたし、やっぱり祝福されるのはとてもうれしい」

 うれしさを素直に表現する傍ら、自分に厳しいのもまた、沖悠哉の人となり。「まだ1試合だし、まだまだ試合は続きます」。勝って兜の緒を締めた。

 ザーゴ監督は、「(沖が)成長している実感はありました。練習試合でも非常にいいパフォーマンスを示していたから、どこかのタイミングで起用したい思いが芽生えていた」と先発起用の理由を明かし、「今日も非常にいいパフォーマンスを示したと思います。何度かシュートを打たれましたが、非常にいい対応ができていた」とデビュー戦の出来を評価する。

「自分が試合に出られたのは、『うまいから』だとは思っていないけれど、練習でできていることが一つずつ増えているから、監督も使ってくれたのだと思う。だから、日々の練習が大事なんじゃないかなと。(これからも)怠らずに、しっかりやっていきたいです」

 日々、鍛錬を重ねてたどり着いた舞台。沖はこれからも、真摯にトレーニングに打ち込み、己の能力を磨いていく。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE