8月8日、明治安田生命J1リーグ第9節が開催され、等々力競技場では川崎フロンターレと大分トリニータが対戦。川崎Fが前半に2点を奪って完勝した。リーグ再開後から8連勝とし、クラブ記録を更新。敗れた大分は5連敗を喫することとなった。

上写真=息子の誕生日にゴールを挙げ、息子の好きな『ベイビーシャーク』を踊るレアンドロ・ダミアン(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月8日 J1リーグ第9節(@等々力/観衆4,735人)
川崎F 2-0 大分
得点:(川)三笘薫、レアンドロ・ダミアン

・川崎Fメンバー◎GKチョン・ソンリョン、DF ジオゴ・マテウス、ジェジエウ、谷口 彰悟、登里享平(87分:車屋紳太郎)、MF田中碧、大島僚太(77分:齋藤学)、脇坂泰斗(62分:守田英正)、FW小林悠(62分:旗手怜央)、三笘薫(77分:宮代大聖)、レアンドロ・ダミアン

・大分メンバー◎GKムン・キョンゴン、DF香川勇気、三竿雄斗(62分:高山薫)、鈴木義宜、小出悠太(62分:三平和弘)、刀根亮輔、MF島川俊郎(85分:佐藤和弘)、田中達也(85分:伊佐)、長谷川雄志、FW渡大生(55分:小林成豪)、髙澤優也

3点目を取れればもっと良かった

 川崎Fの勢いが止まらない。リーグ再開後から破竹の8連勝。前節に更新したクラブ記録をまた1つ伸ばした。

 内容も文句なし。序盤からボールを支配し、ゲームを掌握する。最終ラインから丁寧にパスをつなぎ、右に左に展開。ボールを必死に追いかけてくる大分の守備陣を揺さぶると、開始5分にさっそく穴を突く。攻撃のスイッチを入れたのは谷口彰悟。センターバックの縦パスを受けたレアンドロ・ダミアンが小林悠へつなぎ、そこから脇坂泰斗へ。一気に相手のペナルティーエリア内に侵入し、最後は右サイドでフリーで待っていた大卒1年目のルーキー、三笘薫がきっちり仕事をこなし、公式戦2試合連続ゴール。川崎Fの持ち味を凝縮したような先制点だった。

 1点リードで迎えた24分にもあっさりと追加点を奪う。相手のパスミスを拾ったレアンドロ・ダミアンが落ち着いてマーカーをかわし、余裕を持ってGKの逆を突いてゴールネットを揺らした。

 2点のリードで折り返した後も、攻めの手を緩めることはなかった。等々力競技場には好プレーを称える拍手が鳴り止まず、次から次にチャンスをつくる。三笘がドリブルで局面を打開したかと思えば、アンカーの田中碧が後方から飛び出して、果敢にゴールを狙った。3点目こそ奪えなかったものの、後半はワンサイドゲーム。最後までホームの観衆を沸かせた。

 鬼木達監督は「連戦のなかで選手たちが結果を出してくれた」としながらも「3点目を取れればもっと良かった」とどこまでどん欲だった。

 一方、大分は肝心なところでパスミスを犯してリズムをつかめず、シュート1本と完敗。片野坂知宏監督は「スコア以上に力の差を感じるゲームだった。準備をしてきたはあったが、うまくいかなかった」と厳しい顔を見せた。7月11日から勝ち星がなく、泥沼の5連敗を喫することになってしまった。

取材◎杉園昌之