J1の川崎フロンターレの三笘薫は6日、オンラインで取材に応じた。前日のルヴァンカップGS第2節で先制ゴールをスコア。大一番で勝利に大きく貢献した大卒ルーキーはしかし、気持ちを緩めることなく今後を見据えた。

上写真=脇坂(右)に祝福される三笘(写真◎Getty Images)

同期の旗手にアシスト

 筑波大学から加入したルーキーは、前日5日のルヴァンカップ・鹿島アントラーズ戦でプロ初先発を飾った。三笘はそれのみならず、ゴールとアシストという結果で自らの記念すべき試合に花を添えた。

 これまでも交代出場で精力的なプレーを見せ、J1第7節の湘南ベルマーレ戦ではゴールも挙げていた。だが、「途中出場のときよりは、あまり前半から飛ばさないようにしましたが、それでも最後の方にはきつくなって、運動量も落ちた。まだまだ運動量は足りないのですが、そこが向上すればもっとプレーの幅は広がる」と、初の先発に、新たな気付きもあったようだ。

 43分の先制点となったゴールについては、「CKにするかちょっと迷ったが、ゴールも近かったのでカットインした。相手が来なかったのもラッキーだったけど、自分の得意な形だった」と冷静に分析。「ゴールもラッキーな形での股抜きでしたが、そこまでの過程で相手をうまく外したのがよかった」と手応えを語った。

 この試合には、もう一つうれしい「初めて」があった。大学時代にはライバルとして対戦し、順天堂大学から加入した同期の旗手怜央との『競演』だ。2点リードで迎えた55分、左サイドから右足アウトサイドで送ったラストパスで、旗手のプロ初ゴールをお膳立てし、2人のゴールで勝利を引き寄せた。

 このアシストにも、「ドリブルで仕掛けることもできたけど、中に(小林)悠さんと怜央が見えて、間に結構スペースもあったので流せば何か起きるんじゃないかというのはあった。あの形で怜央が走ってくれるのは分かっているので、連係という意味ではよかった」と冷静だ。むしろ、「いずれ怜央は(得点を)取れると思ったし、これから量産していくと思うが、数字で負けないように切磋琢磨していきたい」と、今後への発奮材料にもした。

 順調にプロキャリアをスタートさせているように見えるが、「得点やアシスト以外は、全然まだまだなので、危機感を持っている。もっと向上すれば、もっと数字も出るかなと思う」と語る。フロンターレの輝かしい未来をつくるために、自身もまだまだ加速していくつもりだ。

取材◎杉山 孝