J1川崎フロンターレの大島僚太が6日、オンラインで取材に応じた。前日に行なわれたルヴァンカップGS第2節の鹿島アントラーズ戦に途中出場し、その直後に得点をスコアした背番号10は、自身の内なる変化について語った。

上写真=前日5日の鹿島戦でゴールを挙げた大島(写真◎Getty Images)

今季はインサイドハーフでプレー

 5日のルヴァンカップ、グループステージ第2節の鹿島アントラーズ戦で、大島は鬼木達監督の起用に『瞬間解答』してみせた。1点をリードして迎えた後半あたまからピッチに投入されると、その2分後に追加点をマーク。チームの勝機をグッと高めて勝利に大きく貢献した。

 豪快さや派手さがあるゴールではなかった。本人も「ボールがこぼれてきて、相手も近くにいたので、『入らなくてもいい』くらいの感じで(打った)。決めるという感じよりは、押し込んだつもりでいました」とリラックスした様子で振り返った。

 ただし、ゴールが生まれたのには当然、理由がある。一つは、大島の内面の変化だったのかもしれない。「今までだったら、あのタイミングでもう一個(ボールを)持ったりしていたかもしれないんですけど、『打っちゃえ』という気持ちの持ち方が、これまでとちょっと違う」。自分の中で変化を起こしているのだ。

 今季からチームが4-3-3のフォーメーションを採用し、これまでの中盤の底よりゴールに近いインサイドハーフでプレーしていることも影響しているようだ。その決断を下した鬼木監督も「今までもボールを握るといっ部分でた絶大な影響力がありましたが、ゲームが最後に何で決まるかと言えば、ゴール。そこにより多く参加できているというのは、いままでの僚太にプラスして、より怖い選手になってきているということで、うれしく思います」と称賛する。

 J1第8節ガンバ大阪戦、中3日で臨んだルヴァンカップ鹿島戦と、公式戦2試合連続ゴールに、本人は「気持ち悪いかな、っていうのはあります」と笑う。これまでのリーグ戦最多得点は、3ゴールを挙げた2012年シーズン。今季はJ1第3節で初得点しており、リーグ戦とリーグカップを合わせたゴール数では、前述の2012年に並ぶキャリアハイとなっている。その数は今後も増えていきそうな気配。

 自身とチームの今後に、「一喜一憂せずやっていきたい」と大島。まだまだ成長と変化を続ける背番号10が、川崎Fを引っ張っていく。

取材◎杉山 孝 写真◎J.LEAGUE