川崎フロンターレのMF三笘薫が3日、オンラインで取材に応じた。徐々に出場機会を増やし、湘南戦で得点を挙げた俊英は、自身の現状について話すとともに、明後日8日に行なわれるルヴァンカップ、鹿島戦に向けて意気込みを語った。

上写真=湘南戦でゴールを記録するなど、三笘は徐々にその存在感を高めている(写真◎Getty Images)

怜央とは刺激し合う仲

 今季のJリーグは大卒ルーキーの当たり年だ。FC東京の安部柊斗、中村帆高、紺野和也、札幌の田中駿汰、金子拓郎、高嶺朋樹らは早々に出場機会を得て、存在感を示しつつある。鹿島の上田綺世、横浜FCの松尾佑介や瀬古樹、星キョーワァン、サガン鳥栖の森下龍矢、J2でも北九州の佐藤亮や栃木の明本考浩などなど、名前を挙げればきりがないほど、大卒ルーキーの活躍が目立つ、大豊作のシーズンとなっている。

 川崎Fにもこの日、取材に応じた三笘のほか、旗手怜央、イサカ・ゼイン、神谷凱士らがいる。特に旗手はリーグ戦の直近2試合で先発を果たし、その存在は三笘自身にとって大いに刺激になっているという。

「怜央とは大学時代からずっとやってきて、ライバルというかずっと刺激し合いながらやってきた仲。怜央がスタートから出れば悔しいですし、僕が決めればあいつも悔しがっていると思います。よりお互いに刺激し合って良い循環になっている。一方で僕と怜央が一緒に出たらもっといいプレーができるということも感じるので、一緒にプレーしたいという気持ちもあります。僕にしかないものもあれば、彼にしかないものもある。それをうまくチームで生かしていければと。近い位置でプレーしたほうが、僕らは生きる。怜央が中に入って来たり、僕が入っていったり。どこでパスを受けたいかというのは分かる部分があるので、僕から怜央に出すスルーパスにも期待してほしいです」

 ともに大学時代から特別指定選手として川崎Fで活動もした。ルーキーながら今季は言わば「2年目」。1年目を将来への投資との評価で終えるつもりはない。同世代のライバルたちの活躍も大いに刺激になっている。

「大学時代にユニバシアードで戦ってきたり、大学の試合でともに高め合ってきた仲なので、どれだけのプレーをしているかチェックしています。結果を出している選手も多いので、それは刺激になっています。筑波大の同期の高嶺は昨日も(神戸戦で)スタメンでしたけど、連絡を取りましたね。みんながこれだけできるというのは、大学時代から思っていたことです。オリンピックも1年延びましたし、僕らの代がより高め合うことで、日本サッカーもより高いレベルに上がっていく。この代でどんどん上がっていくべきだと思っています」

 スキルフルなドリブルは、技巧派ぞろいの川崎Fにあっても別種の輝きを放つ。先日のガンバ大阪戦では決勝点になった大島僚太のゴールをお膳立て。徐々に、チーム内における存在感を高めている。

 明後日5日にはルヴァンカップで鹿島戦に臨む。リーグ戦とは異なるメンバー編成となることも予想される中、三笘には先発の期待も高まる。

「去年、ルヴァンで優勝してチャンピオンというところで、グループステージも試合数が減って、より1試合の重要性が高まってきています。次、勝つことによって、より決勝トーナメント進出に近づくし、次の試合は重要になると思っています」

「サッカー選手はもちろんスタートから出たい選手しかいないと思いうんですけど、今は、アクセントというか、途中から出て流れを変えることだったり、推進力を求められている。そこは徹するしかないと思っていますし、それが今のところ結果として出ているので、継続しないといけない。ただ今後、連戦になったときにはスタートから起用されることもあると思う。そういうときにどれだけのパフォーマンスができるかで、今後の起用に影響すると思うので、しっかり準備したいと思います」

 先発するなら左ウイングか。そして左の翼となった三笘が狙うのはチームを勝利に導き、自らの未来を切り開くことだろう。