試合終了間際だった。アウェーの浦和レッズ戦の86分。DFヴァウドがゲームを振り出しに戻す劇的な同点ゴールを決めた。右CKの流れから豪快なヘディングでネットを揺らし、敗色濃厚だったチームを救った。

上写真=攻守両面にわたって活躍したヴァウド(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月1日 J1リーグ第8節(@埼スタ/観衆4,237人)
浦和 1-1 清水
得点:(浦)レオナルド
   (清)ヴァウド

「たまたま2試合連続ゴール」

 前節の大分トリニータ戦でもセットプレーから4ゴール。ヴァウドは最後の最後まで信じていた。1点を追う84分、一瞬のチャンスを逃さなかった。CKのこぼれ球を拾った中村慶太からクロスが上がってくると、得意のヘッドでゴールネットを揺らす。CBながら2試合連続でゴールをマーク。清水エスパルスのブラジル人は、ヒーローになっても謙虚な姿勢を崩そうとしない。

「自分だけの力でゴールを奪えているわけではありません。たまたま2試合連続で点を取っていますが、これはチームのおかげですし、みんなのおかげです」

 最終ラインに入れば、落ち着いてラインをコントロールし、丁寧なビルドアップで攻撃の起点をつくる。安定感あるプレーは、この日も光っていた。コーチングも欠かすことはない。移籍1年目ながら早くもチームに馴染んでおり、周囲とも積極的にコミュニケーションを取っているという。ボランチの竹内涼は感心しきりだった。
「ヴァウドは気になることがあれば話してきます。黙ってやるプレーヤーではないですね。チームをよくしたい、という熱を感じます」

 ブラジルの名門クラブを渡り歩いてきたような大物ではないが、プレーも人柄も真面目で献身的。丁寧な仕事ぶりは日本向きだろう。浦和戦の後も、CBとして1失点したことを反省。特にビルドアップの状況判断については改善点を口にした。

「細かいところを修正しないといけない。シンプルにプレーすることも必要。ときにはロングボールも蹴っていい」

 そして、すぐに次節に目を向けていた。

「次は無失点で抑えたい」

 チームは8月5日のルヴァンカップ名古屋戦をはさみ、次節ホームで札幌戦に臨む。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE