8月1日、明治安田生命J1リーグ第8節が開催された。ニッパツ三ツ沢球技場では横浜FCとサンフレッチェ広島が対戦。ともに連敗脱出を狙ったが、勝ったのはアウェーの広島。前半に2ゴールを挙げて、城福浩監督が絶対に欲しかったという「勝ち点3」を手に入れた。

上写真=見事な連係から先制ゴールを挙げた広島の森島(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月1日 J1リーグ第8節(@ニッパ球/観衆2,528人)
横浜FC 0-2 広島
得点:(広)森島司、ドウグラス・ヴィエイラ

・横浜FCメンバー◎GK南雄太、DF田代真一(46分:星キョーワァン)、小林友希、袴田裕太郎、MFマギーニョ、佐藤謙介(46分:瀬古樹)、松浦拓弥(74分:レアンドロ・ドミンゲス)、手塚康平、松尾佑介、FW皆川佑介(46分:一美和成)、斉藤光毅(85分:草野侑己)

・広島メンバー◎GK大迫敬介、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MF茶島雄介(74分:ハイネル)、川辺駿、青山敏弘、藤井智也(60分:柏好文)、森島司(74分:エゼキエウ)、東俊希、FWドウグラス・ヴィエイラ(51分:永井龍)

成功体験になった先制ゴール

 前半は広島の思惑通りの展開だった。ポイントになったのは、中盤のミスマッチとCBのつり出し。優位な状況をたびたび作り出し、横浜FCを押し込むと、先制点も手に入れる。22分、CB田代をつり出した裏のスペースを突いて、欲しかったゴールを手にした。

 2シャドーの一角を担う東が、ボランチのラインまで下りて青山とパス交換。田代が前に出ていることを確認すると、右サイドから左サイドまで出張ってきていた森島が前線へ飛びだし、東が浮き球のパスを供給。森島は冷静かつ慎重にゴールへ流し込んだ。

「左サイドで作っていて、(スペースが)空いているなと思っていたら(東)俊希からいいボールが来て。付いてきていたのは中盤の選手(佐藤謙介)だったので、うまく入れ替われるなと」とゴールを決めた森島は話し、城福監督は「ここ数試合の反省は相手チームがどうこうではなく、自分たちがもっと前線でモビリティーを出すことにありました。その一つのキーがコンビネーションの動き。きょうその成功体験を得られた」と振り返った。

 広島は守備の局面ではビルドアップの起点となる相手のアンカー、佐藤のプレーを制限し、ボールを持てば中央エリアで2シャドー+ドイスボランチの4人がうまくボールを循環させつつ、相手を押し込んでいった。先制点に続いて、追加点も前半のうちに記録する。2点目はCKの流れから。37分、左CKで森島が蹴ったボールが右サイドまで流れると、佐々木が拾って青山へ。青山はボックス内左へ素早くクロスを送り、フリーで待っていたドウグラス・ヴィエイラが胸トラップから左足を振り抜いてネットを揺らした。

 2点目が決まった瞬間、広島ベンチ前では城福監督がお馴染みのガッツポーズとともに絶叫。その光景は勝利への強い意欲を感じさせた。

 横浜FCも前半途中から2トップの1枚を中盤に下げてバランスを整えたが、広島の攻勢を止められず。後半の立ち上がりからは4-4-2にフォーメーションを変更して広島の混乱を誘発したが、結局得点を挙げるまでには至らなかった。

「ここ2試合負けていましたし、われわれが今年、目指しているものを考えたら今日の試合は絶対に負けられなかった。前半から集中力高く相手にポゼッションを防ぎ、自分たちが押し込んで、しっかり点を取れた。イメージ通りでした」

 GK大迫の3節以来の先発復帰、故障で2節以降戦列を離れていた柏の途中出場、エゼキエウの初出場など、顔ぶれの変更も含めてチームに刺激を加え、勝利を手にした城福監督は、そう言って快勝劇を振り返った。連敗を止めるために徹底して勝利にこだわり、目論見通りに勝ち点3を手にした。

 一方の横浜FCはこれで4連敗。成長するためにトライを続けているが、「試合の入りが非常に悪くて、そこを引きずってしまったような試合でした」と下平隆宏監督が振り返ったように「自分たちのサッカーを展開する」時間がほとんどなく、再開後の7試合の中では最も悪いゲーム内容となった。広島が人を捕獲してパスを寸断したように、チームのスタイルの根幹たるビルドアップの方法が研究され始めている。さらなるブラッシュアップは急務だろう。

 次節、広島は連勝を懸けてホームで湘南と、横浜FCは連敗ストップを目指してアウェーでG大阪と対戦する。
 
取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE