得点にはつながらなかったものの、多くのチャンスを作り出した清水の金子(写真◎J.LEAGUE)
■2020年8月1日 J1リーグ第8節(@埼スタ:観衆4237人)
浦和 1-1 清水
得点:(浦)レオナルド
(清)ヴァウド
・浦和メンバー◎GK西川周作、DF橋岡大樹、トーマス・デン、槙野智章、山中亮輔、MF関根貴大(81分:武富孝介)、エヴェルトン、青木拓矢(HT:柴戸海)、汰木康也(65分:荻原拓也)、FWレオナルド、杉本健勇
・清水メンバー◎GK梅田透吾、DFエウシーニョ(70分:岡崎慎)、ヴァウド、立田悠悟、ファン・ソッコ、MFヘナト・アウグスト(83分:鈴木唯人)、竹内涼、後藤優介(63分:中村慶太)、FW金子翔太(63分:ティーラシン・デーンダー)、カルリーニョス・ジュニオ、西澤健太(83分:川本梨誉)
「やりたいことができた」(クラモフスキー監督)
オリジナル10のオレンジ軍団が息を吹き返しつつある。この日も開幕から5連敗を喫したのが嘘のように、前半から面白いようにパスをつなぎ、ゲームを掌握。最終ラインから丁寧に組み立て、やすやすと敵陣に侵入していく。左右に揺さぶりながら、3トップの両ウイングが次から次へと高精度のクロスを供給した。42分には金子翔太の左クロスを、フリーの後藤優介が頭でピタリと合わせる。浦和GK西川周作のビッグセーブに阻まれたものの、相手の守備をほぼ完璧に崩した形だった。
しかし、後半は苦しんだ。0-0で迎えた54分、スローインから一瞬のスキを突かれてレオナルドにゴールを奪われる。思うように攻撃の形を作れない時間帯もあり、運動量が低下してくるとボールロストが増え、たびたびカウンターを浴びた。
それでも勝負をあきらめなかった。最後の最後に、前半から徹底してきたサイド攻撃が実を結ぶ。86分、CKのこぼれ球を拾った途中出場の中村慶太がドリブルで右サイドをえぐって中央に折り返し、最後はヴァウドが頭で押し込んで勝ち点1をもぎ取った。
値千金の同点ゴールを清水ベンチも総立ちで喜んだ。これで第6節から3戦負けなしで、目指すべきパスサッカーも板に付きつつある。ピーター・クラモフスキー監督は結果だけでなく、内容にも満足していた。
「良いフットボールのゲームでした。私たちのやりたいサッカーができていたと思います。最後までプレーして、勝ち点1を奪えました」
一方、ドローに持ち込まれた浦和は先制した後に追加点を奪えず。前半から相手にボールを支配され、守備に追われる時間が長く、大槻毅監督も「2点目を取れなかったことが悔やまれる」と渋い表情だった。
現地取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE