鹿島アントラーズの土居聖真が31日、オンラインで取材に応じ、チームの現状と明日の大分トリニータ戦への意気込みを語った。前節、魂のゴールを挙げた土居はいまチームが強く意識すべきことについても率直な思いを口にした。

上写真=チームの勝利のために強い思いを抱く土居。2試合連続得点が期待される(写真◎鹿島アントラーズ)

みんなが意識しないといけない

 前節のFC東京戦、1点ビハインドを背負った中で67分に伊藤翔に代わってピッチに登場すると、土居は同点ゴールを記録した。遠藤康から浮き球パスを呼び込み、ドンピシャのタイミングでエリア内に走り込んで左足ボレー。見事な得点だったが、チームに勝ち点をもたらしたその貴重な得点もさることながら、球際で戦い、精力的に走って味方を鼓舞する姿勢が目を引いた。

「決め切るところというのは、大事。チャンスの数が多ければいいということでもないと思いますし、チャンスが一つでもそれを決め切るというところにフォーカスしていかなければいけない。今まではたくさんチャンスが作るというところがあったと思うんですけど、今後はそれを結果として表していかなければならないと思う。そこに進んでいかないといけない。もっともっとどん欲に、チームとしても個人としても目指す必要があるのかなと思います」

 ザーゴ監督が再三指摘しているように、目指すサッカーは以前によりも形になってきた。しかしそれでも勝ち切れない状況が続く。だからこそ重要なのは「どん欲さ」だと土居は言う。そして、現状のチーム状況についても喝破した。

「監督が代わって、みんな監督に評価されたり、試合に使ってもらえるように、求められることをしようとするのは当たり前なんですけど、それにとらわれ過ぎて、本来個人個人が持つ特徴を制限している選手もいたと思う。徐々に監督の色と個人個人が持っているものを織り交ぜながらやっていかないと。ずっと結果が出ていないので。目標はもちろんありますけど、そこにとらわれ過ぎずに、まず第一に球際で戦うところだったり、自分が得意とするプレーを表現できないと、そこにたどり着けない。そのことは、ここ数試合で、さらに強く感じたこと。ベースとしてやらなければいけないことをやるというのは、みんなが意識しないといけないと思います」

 きれいにサッカーをやろうとし過ぎて、ベースの部分を疎かにしてしまえば、そもそも目的地にたどり着けるはずがない。FC東京戦の試合後には「チームを鼓舞するような声だったり、プレーで(闘志を)表さなければいけないと思っていた。今後もこれがベースにならなければいけない」とも土居は語っていた。ピッチで何を出すべきなのか。土居は問いかける。仲間にも、自分にも。

「毎試合毎試合、たくさん考えましたし、整理も毎回毎回しています。いきなりグンと良くなるかは分からないですけど、徐々に徐々に良くなればと思っていますし、この間はその成果がしっかりと得点として生まれましたけど、あれを続けていかないといけないと思っています」

 明日はアウェーで大分トリニータと対戦。今季は敵地では未勝利。簡単な試合にならないことを理解しながらも、土居は言った。

「内容が良くても勝たなくてはいけない順位ですし、勝ち点獲得は絶対条件という思いがあります。アウェーですけど、そのためには何をしなければいけないのかということをしっかり整理して臨めれば」

 鹿島伝統の背番号8を受け継ぐ男の言葉は重く、そして力強かった。