上写真=古巣・柏との一戦に向けて意気込みを語った中谷(写真◎J.LEAGUE)
「対策をしてもそれ以上のもので来る」のがオルンガ
先週末からチームは慌ただしく、落ち着かない日々を過ごすことになった。宮原和也、渡邉柊斗、チームスタッフ、選手寮のスタッフと、4人に新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たため、26日のサンフレッチェ広島戦は延期となり、全体練習も数日間の休止を余儀なくされた。また、この1週間で3度のPCR検査を受けることにもなった。
「正直に言うと、怖さもありました。ただクラブが独自にPCR検査をしてくれたおかげで3回陰性が出て、自信を持って試合に挑めます。そこの部分での怖さはない。サッカーに集中できる環境をクラブが作ってくれたことに感謝しています」
「全国的にそうですけど、愛知県も感染者が増えている中で、PCR検査も今までに比べて結果が出るのが少し遅かった。夜に結果が出なくて次の日の朝になることもありました。自分が陽性だったらどうしよう、という怖さもありましたし、自分も家族がいるので、そこに移してしまったらどうしようという思いもあった」
異例のシーズンを戦っていることは認識しているものの、感染防止対策はしっかりやっており、それは予期せぬ出来事だった。それが今回の感染症の恐ろしさであり、対応の難しさではあるが、選手たちに心理的な不安をもたらしたのも確かだった。それでも、名古屋の守備を支えるCBはすぐに気持ちを整理し、試合に集中すべく努め、心を「自信を持って挑める」状態にした。
明日、ホームで迎えるのは自身の古巣である柏レイソル。中谷が抱く今季の印象は、こうだ。
「ネルシーニョ監督らしいというか、メンバーを固定しないで、再開後は3連敗しましたけど、そこからメンバーを替えて3連勝している。常に顔ぶれを入れ替えながら新しい選手が活躍しているイメージがありますね。あとは球際の部分だったり、サッカーの原点にこだわる強いチームだと感じます」
そして現在の柏には、目下、J1得点王のFWオルンガがいる。中谷対オルンガは、明日の試合の一つの見所でもあるだろう。
「今、Jリーグで一番、点を取っている選手なので気を付けないといけない。ですが単に対策をしても、それ以上のものを持っている。例えばクロス対応でマークをしていても、その上からヘディングできるような選手なので。ボールを入れさせないとか、そういうところが大事になってくる。何に気を付ける? それは得点じゃないですか」
全体練習が再開できたのは28日。準備期間はわずかだが、中谷は一切、言い訳しない。前だけを見ている。
「前回の試合が無くなったのは残念ですけど、いままでの流れを続けて、しっかり勝ちに持っていって、順位をキープしないといけない。次の試合がすごい大事になってくると思います」
リーグ戦を戦っていく上でも、「小学校4年生のときから育ててもらった特別なクラブ」との対戦という点でも、中谷にとって明日は重要な試合。目指すのはもちろん、勝利のみだ。