7月26日、明治安田生命J1リーグ第7節が開催された。ニッパツ三ツ沢球技場では横浜FCと浦和レッズが対戦。ともに連敗中だったが、勝利したのは浦和。リアルな戦いできっちりゴールを奪い勝利をつかみ取った。

上写真=レオナルドの先制ゴールをアシストした浦和の関根貴大(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月26日 J1リーグ第7節(@ニッパ球/観衆2,580人)
横浜FC 0-2 浦和
得点:(浦)レオナルド、エヴェルトン

・横浜FCメンバー◎GK南雄太、DF星キョーワァン(68分:田代真一)、袴田裕太郎、MFマギーニョ(68分:武田英二郎)、中村俊輔(46分:松浦拓弥)、佐藤謙介、手塚康平(83分:皆川佑介)、松尾佑介、FW一美和成(68分:草野侑己)、斉藤光毅

・浦和メンバー◎GK西川周作、DF橋岡大樹、槙野智章、鈴木大輔、山中亮輔、MFエヴェルトン、柏木陽介(76分:武藤雄樹)、青木拓矢、FW関根貴大(87分:柴戸海)、興梠慎三(61分:杉本健勇)、レオナルド(87分:伊藤涼太郎)

よく表現してくれたと思う(大槻監督)

 横浜FCが「自分たちの目指すサッカー」をピッチで表現する時間は確実に長くなっている。ここ2試合、すなわち川崎フロンターレ戦や横浜F・マリノス戦と比べても、この日の浦和戦は主導権を握る時間が長かった。左からは松尾の速さを生かし、右は中村とマギーニョのコンビネーションで崩す。中央でも佐藤、手塚、中村と前線の斉藤、一美のパス交換で浦和ゴールへと迫り、前半は思い通りに戦いをピッチに描いた。後半に入るとスタートから中村に代えて松浦を投入。いよいよゲームを動かしにかかった。

 しかし、浦和はリスク管理をしつつ、横浜FCのスキを狙っていた。52分、浦和の右サイドハーフ、柏木が内側に進出して左サイドから中央エリアに移動していた関根にパス。関根は短いドリブルをはさんで前方にスルーパスを送り、ジャストのタイミングで最終ラインの裏に飛び出したレオナルドがまんまとゴールを陥れた。

 まったく無駄がなく、相手を仕留める一瞬の連動。横浜FCの下平隆宏監督は「簡単に失点してしまったのがとにかく痛かった」と悔やんだが、好機を手にしながら決められない横浜FCとは対照的に、浦和はここぞの場面で選手が連動し、きっちり得点してみせた。結局、その差が勝敗を分けることにもなる。

 60分過ぎから横浜FCは選手を代えながら1点を取りに行くが、最後の場面で精度を欠き続けた。松浦のクロスから武田がシュートを放った後半アディショナルタイムの場面は決定的で、スタンドのサポーターからもマスク越しのため息が聞こえた。対する浦和はメリハリを利かせた試合運びで時間を使い、きっちり勝利を手繰り寄せていく。試合の序盤からも顕著だったが、相手のプレスをいなすために時にロングボールを交えて一気に横浜FCを帰陣させ、ハイプレスを空転させた。

 そして横浜FCがチャンスを逸した直後の90+3分には、柴戸のクロスをエヴェルトンがヘッドで押し込み、追加点。浦和は首尾よく戦ってリアルに勝ち点を積むことに成功した。

「ここ2試合は自分たちから手放したところがあったので、取り返したいという思いをもって臨んだ。(相手は)いいビルドアップを仕組みだったり、立ち位置だったりで色んな攻撃の形を持っているチームなので、しっかりと守備をするところから入って、(選手は)よく表現してくれたと思う」

 浦和の大槻毅監督は、プランを実行して勝ち点3をつかんだ選手たちを称賛した。

 この結果、浦和は連敗を2でストップ。一方で横浜FCは連敗を3に延ばすことになってしまった。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE