Jリーグは26日、緊急記者会見を開き、本日18時に開催予定だった『サンフレッチェ広島対名古屋グランパス』が中止になった経緯について、村井満チェアマン、名古屋グランパスの小西工己代表取締役社長が説明した。

上写真=Jリーグの村井チェアマン(写真◎スクリーンショット)

名古屋の選手16名は昨晩広島に移動済み

 すでに24日に陽性判定を受けていた宮原和也に加え、名古屋グランパスからさらに渡邉柊斗とトップチームスタッフの新型コロナウイルスが明らかとなった。26日朝にJリーグと名古屋は試合の開催や今後の対応について協議。その結果、サンフレッチェ広島対名古屋グランパスは中止することになった。

 宮原和也の濃厚接触者には当たらず、PCR検査の結果が陰性だった名古屋の選手16人+スタッフ1名が広島に移動している状況だったが、今回、新たに判明した2人の陽性者の濃厚接触者特定には時間がかかり、試合の開催までに確定できなかった。濃厚接触の可能性がある状況で選手が試合に臨むことは安全ではないとの判断により、試合は中止された。

「名古屋市の保健所による濃厚接触者判定が夜になる可能性もあるとのことで、試合に臨むにあたり安全な状態ではないため中止を決めました。3名(宮原、渡邉、スタッフ)は、感染リスクを減らす生活と行動を取っており、クラブとして問題があったわけではないと認識しております。第3回Jリーグ公式検査を17日に済ませており、その結果は陰性でした。そこから数日の間に、何がしかのルートで感染したとも考えられます。こうした状況は本人に感染の責任があるわけではなく、あらためて新型コロナウイルスの難しさを再認識した次第です」(村井チェアマン)

「本日はサンフレッチェ広島との試合日でした。トップチームから3名の新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が出たことを受けて、リーグのプロトコルに従い、14名の登録選手で試合に臨める方向を最後の最後まで探りました。ですが本日陽性判定の出た2名の濃厚接触者が特定される時間がはっきりせず、特定が試合直前になってしまうことも予想されるため、やむなく14名の登録が難しい旨をJリーグに説明させていただきました。その結果、本日の試合は中止という判断になりました」(小西社長)

 新型コロナウイルスの感染が収まらない中で、試合を開催していくことの難しさをあらためて認識することとなった。村井チェアマンは感染者が出たクラブについてPCR検査の実施頻度を上げることなども視野に入れ、今後の対応を検討していくと説明。明日、27日にはNPB(日本野球機構)との対策連絡会議を開く予定で、専門家チームの意見を聞きつつ、対応策を協議することになる。

 なお、政府見解に従い、現時点では8月末まで収容5000人以下(あるいは収容率50%以下のどちらか少ない方)での有観客試合開催を予定している。