上写真=小平グラウンドで練習に励む室屋(写真◎FC東京)
相手として苦手意識はない
前節、FC東京はアウェーで札幌と対戦。前半終了間際に先制を許し、その後、なかなか得点できずに苦しむことになった。そんなチームを試合終了間際のゴールで救ったのが、途中出場していた室屋だった。
88分、ジャストなタイミングで最終ラインの裏に飛び出してレアンドロのパスを呼び込むと、自らのスピードを殺さずに絶妙なトラップでボールをベストポジションに置き、右足を振った。走り込むコースとタイミング、パスの勢いと自らのスピードを生かすトラップ、そしてGKを抜くシュートと、どれもがベストな判断とプレー。しかも、貴重な勝ち点をチームにもたらした。
「この前の試合は引き分けてしまいましたが、苦しい中でも追いつけたことはすごくチームとして大きかった。強度の高い、レベルの高い試合展開で、そういう難しい試合の中でもやれたことはたくさんあった。それを継続していく必要がある」
本人も勝ち点1を持ち帰った意義を語った。札幌戦から中3日で迎える次節の対戦相手は鹿島。その印象については「鹿島に対して苦手とかそういう印象はないですけど、ずっと偉大なチームですし、歴史のあるクラブなので、一つ気を抜けばやられる。実際、昨年もアウェーは負けていますし(26節:0-2)」と語り、気を引き締める。
「新しい監督になって新しい選手も入ってきて今は苦しんでいるのは確かだと思いますけど、マリノス戦で大勝しているように個人のレベルはすごく高い。組織的なところは未完成だとしても、個人で何とかできる選手がそろっているので、気を付けなければいけない」
攻略のポイントは、つなぐことに重きを置く相手が重心を前にかけたときか。「カウンターを決められたら」と室屋はイメージを膨らませる。
札幌戦は80分から登場して決定的な仕事をしたが、前半に4失点した川崎F戦では後半から登場して戦う姿勢を示し、仲間を鼓舞した。過密日程を考慮し、選手起用はローテーションされているが、その存在がチームに欠かせないのは誰もが認めるところ。ただ、本人は「試合に出たい気持ちは常にありますけど、(小川)諒也も(中村)帆高もしっかりしたプレーをしている。正直、自分的には誰が出ても変わらないと思うくらい。誰がどうではなく、自分が出たときに、しっかりとしたプレーをしなければいけないと感じています」と現状を冷静に見つめる。重要なのは出場機会を得たときに、いかにチームのためにプレーできるか。
その思いを表現したのが川崎F戦であり、札幌戦。前節が10分あまりのプレーだったことを考えれば、明日は先発が濃厚か。右サイドで熱を放つ背番号2に、注目だ。