横浜F・マリノスとの横浜ダービーに敗れ、今季初の連敗を喫した横浜FC。MFの手塚康平は手応えと課題の両方を感じていた。チームが求めるスタイルをピッチで表現し始めているが、完成するために何が必要なのか。手塚が語った。

上写真=中盤の3センターハーフの一角を担った手塚康平(写真◎Getty Images)

■2020年7月22日 J1リーグ第6節(@日産ス/観衆4,819人)
横浜FM 4-0 横浜FC
得点:(M)オウンゴール、マルコス・ジュニオール、遠藤渓太、エジガル・ジュニオ

主導権を握る時間がどの試合でもある

 前半の立ち上がりと後半開始直後、主導権を握ったのは横浜FCだった。しかしその時間帯に得点できず、結局、前節の川崎フロンターレ戦と同様に横浜F・マリノス戦も敗れることになってしまった。

 佐藤健介とともに中盤でゲームをコントロールしていた手塚は、それこそが目下の課題と指摘する。

「最初、うまくいっていたのは自分たちが相手の嫌なスペース、サイドバックの裏というのを突けていけた部分があって、マンツーマンで前からハメに行って相手が嫌がるようなプレーができていたから。でも最初の20分くらいまでで、それ以降は相手もうまく自分たちに対応してきてプレッシャーをはがしてきた。ビルドアップのところでうまくボールを前に運べなくなって、押し込まれる展開になってしまった」

 守備では仙頭啓矢を主に見張り、攻撃では15分に松浦拓弥とのワンツーで抜け出して斉藤光毅のポスト直撃のシュートを導くクロスを供給した。だが、手塚本人も自覚するように、目立ったプレーは限られた。チームが相手にペースを握られた15分以降は、その持ち味を発揮できなくなっていった。

「点が取れなくても、失点を抑えれば、負けることはないので守備のところの改善は必要。もちろん勝つためには点を取らなければいけないので、最後の攻撃の質の部分をもっとみんなで高められれば」

 攻守両面でまだまだ課題は多い。それでも下平隆宏監督が求める『相当な運動量が必要なスタイル』に今後もチャレンジしていく。信念が揺るがないのは、試合のたびに手応えを得ているからだ。

「自分たちが間違いなく主導権を握っている時間が、どの試合でも必ずある。その時間を1試合1試合長くして良ければ、勝利に近づくのではないかと思います」

 そのためのポイントとして手塚は集中力と我慢をポイントに挙げた。

「相手はJ1でとても強いチームで、少しでも自分たちが気を緩めてしまったら、そのスキを突かれてしまう。この2試合で痛感しました。2試合とも自分たちが元気なときは集中していて点も取られなかったと思う。でも後半にだんだん疲れてきて集中力が切れると、ドドドって崩れた。最後まで集中力を切らさないということが、J1のチームと戦うのには大事だと思います」

「前半に何度か作ったチャンスをものにできなかった。点が取れなくても0-0の状態で、我慢強く、自分たちがやりたいことをやり続ければ、また結果は違ったんじゃないかなと思います」

 チームの成長は手塚だけではなく、横浜FCの選手たちほぼ全員が実感できている。あとは、結果。継続し、集中し、耐えて勝利をつかむーー。はっきりと見えているその道を、いかなるスピードで進んでいくか。今後、問われるのは、その点だろう。