7月22日、明治安田生命J1リーグ第6節が開催された。日産スタジアムでは2007年8月11日以来の横浜ダービーが実現。ホームの横浜F・マリノスが4-0で勝利を収め、連敗ストップに成功。一方、敗れた横浜FCはリーグ戦で今季初の連敗となった。

上写真=1得点1アシストで勝利に貢献した遠藤渓太(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月22日 J1リーグ第6節(@日産ス/観衆4,819人)
横浜FM 4-0 横浜FC
得点:(M)オウンゴール、マルコス・ジュニオール、遠藤渓太、エジガル・ジュニオ

・横浜FMメンバー◎GK梶川裕嗣、DF小池龍太、伊藤槙人、畠中槙之輔、ティーラトン、MF喜田拓也、仙頭啓矢(61分:扇原貴宏)、マルコス・ジュニオール(70分:オナイウ阿道)、FW仲川輝人(57分:水沼宏太)、エジガル・ジュニオ、遠藤渓太

・横浜FCメンバー◎GK南雄太、DF星キョーワァン、田代真一、小林友希、MFマギーニョ(75分:武田英二郎)、松尾佑介、佐藤謙介(75分:中村俊輔)、松浦拓弥(57分:瀬古樹)、手塚康平、FW一美和成(61分:草野侑己)、斉藤光毅(61分:皆川佑介)

すごくいいゲームができた(ポステコグルー監督)

 立ち上がり、ペースをつかんだのは横浜FCだった。横浜FMのサイドバックが空けたスペースを積極的に突いていく。12分には、佐藤がそのスペースにダイレクトでボールを供給し、松浦、斉藤とつないでシュートを放つ。相手GK梶川の好守に阻まれたが、あわやのシーンをいきなり作り出した。

 直後の15分にも惜しい場面を生み出す。パス交換で右サイドを攻略し、手塚のクロスを、斉藤が絶妙なトラップで収め、シュートまで持ち込んだ。無常にもポストを叩いてネットは揺れなかったが、チームの狙いとする『マンマークで相手の自由を奪い、ボール奪取後に一気にサイドバックの裏を突く』攻撃が奏功。開始から15分間は完全に横浜FCの時間だった。

 だが、序盤に迎えた二つの決定機を逃すと、次第に形勢が逆転していく。横浜FMが個の力とパスのテンポを上げることでマークをはがし始め、18分に遠藤、27分にはエジガルがシュートを放った。そして31分に均衡を破ってみせる。左サイドのスローインの流れから、マルコス・Jがインスイングのクロスを入れると、エジガルと競り合いながら足を出した横浜FCのCB田代に当たり、ボールはそのままゴールに吸い込まれた。

 記録上はオウンゴール(OG)だが、相手の寄せが甘いことを見逃さず、すぐにクロスを上げたマルコス・Jの判断とボールの質、それに素早く反応したエジガルが生み出したゴールと言えた。

 後半に入っても、横浜FMの流れは続く。開始直後の相手の圧力を巧みにやりすごすと、56分には仲川のパスにオフサイドラインぎりぎりのタイミングで飛び出したマルコス・Jが決めて2-0。65分には途中出場した水沼の右からクロスに遠藤がヘッドを合わせて3-0。先制、加点、ダメ押しと理想的な展開で勝利をグッと引き寄せた。

 その後もピッチの幅を広く使い、鋭く縦を突き、中から外へ、外から中へとボールを動かして、横浜FMは縦横無尽に攻め込んでいった。72分には遠藤が左サイドを深くえぐり、中央へパス。待っていたエジガルが4点目を叩き込んだ。ここで勝負あり。ゲームは4-0で決着した。

 横浜FMが8-1で勝利を収めた2007年8月11日以来、13年ぶりにJ1の舞台で実現した横浜ダービーは、あの日と同じようにホーム、横浜FMの大勝に終わった。

「前からプレッシャーをかけて何度かチャンスを作れたが、フィッシュまで至らずに失点してしまった。前節同様にいったん気持ちが落ちるとなかなか回復できない。90分を通じて自分たちの戦い方ができるようにやっていかなければ。チャレンジしていきます」と、敗れた横浜FCの下平隆宏監督は振り返った。一方、横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督は、「すごくいいゲームができたと思います。相手は最初の10分、15分でボールをつなぐサッカーを見せてくれた。そしてそこを乗り越えて自分たちが先制し、後半はいいゴールも生まれた。守備でも強さを出していいゲームができたと思います」と快勝劇を総括した。

 横浜FMはダービーに勝って連敗をストップし、横浜FCはダービーに敗れて今季初の連敗。大一番を望み通り、今後の弾みにできたのはホームチームのほうだった。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE