長期離脱からの復帰後、すぐに過密日程に臨んでいるセレッソ大阪FW都倉賢。7月21日にオンライン取材に臨み、現在のコンディショニングの秘訣や、22日のヴィッセル神戸戦への決意を語った。

上写真=21日の練習後のオンライン取材で、身振り手振りを交えて質問に答えた都倉(写真◎スクリーンショット)

当初は「すごく不安があった」

 7月18日のJ1リーグ第5節、アウェーでサンフレッチェ広島に2-1と競り勝ったセレッソ大阪で、存在感を放ったのがFW都倉賢だった。先発出場で2トップの一角に入り、くさびのパスをシンプルにさばいたり、相手の背後からのプレッシャーに耐えてキープするなど、前線の核として奮闘。82分に交代で退くまで持ち味を発揮し、勝利に貢献した。

 復活への道を着実に歩んでいる。北海道コンサドーレ札幌から加入した昨季、5月の試合で右ヒザの前十字靭帯と外側半月板を損傷。全治8カ月の重傷で、そのままシーズンを棒に振った。だが今季に復帰を果たすと、2月のJ1開幕戦こそ控えで出場機会なしだったものの、再開後は先発3試合、交代出場1試合で、全4試合に出場中だ。

 いきなり3連戦に臨むなどフル稼働しているが、気になるコンディションについては「リバウンドなく、ここまで来ることができています。再開と、自分のケガからの復帰が重なり、試合に絡みながら1試合ごとにコンディションを上げていくことができているのは、ありがたい」と説明。好調のチームの中で、確かな手応えをつかんでいる。

 約1年2カ月、公式戦から遠ざかったことで、復帰当初は「すごく不安があった」と明かす。それでも「まだベストではないですが、チームから求められているコンセプトを守ることを、まず全力でやっている。プラスアルファを出すことはできていないが、それはコンディションが上がっていく中で、もっと出していけると思う」と今後をイメージしている。

 完全復活に向けて、コンディショニングで変えたことなどを聞かれると「いろいろ変えているので、1時間くらい、(時間を)もらってもいいですか?」と、まずはジョークで返答。その後は真摯に「ざっくり言うと、睡眠と、道具によるケアの2つ。道具や時間を使ったケアと、睡眠の質をどう高めていくかを意識するようになった」と概要を語った。新型コロナウイルスの影響による自粛期間中も、自宅用に有酸素運動のための器具や、高地トレーニングができるアイテムを購入し、トレーニングに励んでいたという。

 22日にホームで対戦するヴィッセル神戸は、2010年から13年までプレーした古巣でもある。「戦術がしっかりしているチーム同士なので、傍から見ると将棋やチェスのようなゲームになると思う」と予想した都倉は、「でも結局は、ピッチにいる一人ひとりは駒ではなく、人間。目の前の相手に勝ちたいなど、最終的には人間の本質的な、本能的な部分が勝負を分けると思う」とコメント。「もちろんチームのコンセプトを全員が守りつつ、最後の最後は、目の前の相手に負けない、といった根源的なところが結果を左右する」とイメージを膨らませていた。