明治安田生命J1リーグは7月22日のミッドウィークに第6節を迎える。FC東京は北に飛び立ち、北海道コンサドーレ札幌と対戦。昨年の札幌ドームでの試合でリーグ戦初ゴールを決めた渡辺剛が、その再現を狙っている。

上写真=「ここでコンディションが落ちるようじゃ、この先の連戦を乗り越えていけない」と渡辺は余裕(写真◎FC東京)

橋本がいなければ渡辺がいる

 2019年8月24日、札幌ドーム。FC東京が北海道コンサドーレ札幌と戦ったゲームは、センターバックとして先発した渡辺剛にとっては忘れられないものとなった。

 38分、右サイドからのFKを東慶悟が中央に送ると、競り勝った渡辺が自慢のヘッドで押し込んで先制。これがリーグ戦での記念すべき初ゴールとなったのだ。

「Jリーグ初得点が札幌ドームだったので、すごく感触がいいのは間違いないですね。実は去年、ルヴァンカップのレイソル戦でプロ初ゴールを決めていて(第1節)、今年もリーグ戦でレイソルから決めています(J1第2節)。得意なところで決める流れはあると思うので、今回はちょっと狙っています」

 というわけで、いきなりゴール宣言だ。

 ただし、昨年のその試合では47分にジェイに決められて、結局は1-1のドローに終わっている。初ゴールの喜びはかき消された。

「勝ちきれなかった試合だったと思います。こちらが決めきれず、ピンチは少なかったのに決められて同点で終わってしまった。一つのチャンス、またはピンチで集中していかないといけない相手ですし、今回も均衡した試合になると思うので、集中力がすごく大事かなと思います」とリベンジを誓っている。

 今回の札幌戦は、橋本拳人がロシアのFCロストフへと移籍してから最初の試合になる。橋本は長谷川健太監督も全幅の信頼を置いていた守備の中心選手。いわば、要石を欠くことになる。でもそれがどうした、と渡辺は言わんばかりだ。

「橋本選手はチームの中心で守備の要だったと思うんですけど、FC東京は層が厚いですし、ほかにもいい選手いて、拳人くんがいないから厳しい状態になるということはないんです。自分たちとしても、(橋本が)いないからこそしっかり守って、ちゃんとできるんだというところを見せたい1試合目だと思うので、いい機会なのかなと思います」

 そう、ポジションは違うが、橋本がいなければ渡辺がいるのだ。

 そのためには、まずは本職の守備で相手を圧倒したい。札幌はケガなどの状況もあって前線に誰を起用してくるのか読みきれないところがあるが…?

「スピードのある選手やポストプレーが得意な選手とタイプが違うので気にはなりますが、ジェイ、ドゥグラス・オリベイラと高さのある選手がくればどう対応するか考えたいと思います。でも、自分たちも準備はできているし、特徴も分かっているので、焦ることはありません」

 平然と構える姿勢は頼もしいが、それは空中戦には自信があるから。ジェイは190センチ、ドゥグラス・オリベイラは188センチ。186センチの渡辺はやや低いが、負けるつもりはさらさらない。

「身長が高い選手に対しては、準備が一番大事だと思います。相手より先に準備したり、危機察知能力で常に予測して行動したりしないと、大きな選手には勝てません。そこは得意な分野でもありますし、もっと磨かなければいけないと思うので、次の札幌戦はいい機会になります。しっかりやっていきたいと思います」。そう言って、言葉に熱を込める。

「連戦で、チームとしてもここが踏ん張りどころ」と見定める北の決戦。狙い通りにゴールを決めてみせるか、あるいはこのゴール宣言をダミーにして他の味方に取らせるか。いずれにしろ、どちらのゴール前の攻防でも、この背番号4が主役になりそうだ。