明治安田生命J1リーグは7月18日に第5節を迎え、FC東京は苦手の浦和レッズを迎えた。FC東京が前半終了間際に先制し、相手のミスに乗じて追加点を挙げ、長谷川健太監督は「理想的な展開」と対浦和13試合ぶりの勝利を喜んだ。

上写真=先制点を挙げて喜びを表現するディエゴ・オリヴェイラ(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月18日 J1リーグ第5節(@味スタ:観衆4,705人)
FC東京 2-0 浦和
得点:(東)ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン

交代:(東)永井謙佑→アダイウトン(61分)
      小川諒也→中村帆高(82分)
      東 慶悟→アルトゥール・シルバ(82分)
      安部柊斗→髙萩洋次郎(89分)
      ディエゴ・オリヴェイラ→紺野和也(89分)
   (浦)汰木康也→関根貴大(46分)
      杉本健勇→レオナルド(57分)
      長澤和輝→マルティノス(57分)
      橋岡大樹→エヴェルトン(68分)

浦和戦リーグ白星は2013年9月14日以来

 ガチガチの前半だった。緊張で足が動かないという意味ではなく、浦和レッズの堅実な4-4-2システムをFC東京が突き崩せず、逆に浦和もFC東京の守備に割って入る有効なアイディアを見せられずに、一進一退の時間が長かったからだ。

 徐々にFC東京が右サイドではディエゴ・オリヴェイラのキープを、左サイドでは小川諒也、安部柊斗、レアンドロのコンビネーションを生かしてリズムを作り、浦和も興梠慎三が長めのパスをうまく収めたところを起点にしてゴールに迫ろうとする。それでもいわゆるビッグチャンスはほとんどなく、静かなまま前半が終わると思われた、そのときだった。

 最終ラインの左寄りから森重真人が鮮烈なサイドチェンジ、ペナルティー・エリア右角あたりで室屋成が受け、一つボールを前に動かして目の前に立った山中亮輔のタイミングを狂わせてからクロス、GK西川周作が伸ばした手に少しだけ触れて流れたところで、走り込んでいたディエゴ・オリヴェイラの胸に当たってゴールに転がり込んだ。

 そうなると、浦和はハーフタイムに関根貴大を、57分にはレオナルドとマルティノスと攻撃の個性派を続々投入して一気の形勢逆転を狙ってくる。FC東京も61分にアダイウトンを送り込み、ともに攻め合う姿勢を見せていく。交代選手の個性が生きて、関根のドリブル、レオナルドのポストプレー、マルティノスのスピードで盛り返したところで、アダイウトンの突破力が試合を決めた。

 66分、浦和の青木拓矢がトラップを跳ねさせたところを見逃さなかったアダイウトンがボールを強奪、そのままわき目もふらずにゴールに突き進み、追いすがるDFを置き去りにして、最後は右足でゴールを仕留めてみせた。

 ここからはオープンな展開に移って、行きつ戻りつの時間になるが、FC東京が逃げ切って2-0の快勝。浦和には実に2013年9月14日、J1第25節で3-2で勝って以来、13試合ぶりのリーグ戦白星となった。

 長谷川健太監督は「前半、いい形で先制できて、後半は落ち着いて試合を進めることができて追加点を取るという、理想的な展開で勝てた」とジンクスを破る勝利にまずは満足の様子。浦和はこれが今季初黒星となったが、大槻毅監督は「先に取られたことがすべて。それで相手が構えてカウンターを打てる状況になってしまった」とシンプルに敗因を分析していた。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE