大ケガからの復活を目指す川崎フロンターレのMF中村憲剛が14日、練習後にオンラインで取材に応じた。8月中の公式戦復帰をにらむ中村は、現在3連勝と好調のチームを外から見ながら「いろんなイメージを膨らませている」という。

上写真=オンラインでも饒舌だった中村憲剛。リハビリの順調ぶりをうかがわせた(写真◎スクリーンショット)

必ずどこかで力になれる

 昨年11月の手術から約7カ月が経過し、今月4日からチーム練習に部分合流している中村。「アップとボール回しだけでめっちゃ疲れる。サッカーって疲れるなと改めて感じた」と語るように実戦復帰はまだ先のようだが、「チーム事情もあると思うけど、8月中に試合に戻れればいいなと。1カ月前、2カ月前よりも先が見えている」と現時点での目標を明かした。

 前十字靭帯損傷および半月板損傷を負った左ヒザはまだ違和感が残るが、「同じケガをした先輩からのアドバイスもあったので、こんなもんだろうと。それ以上に練習に混ざれる楽しさが勝っている。あとは慣れていければ」と焦りはない。プレーの感覚については「思ったより大丈夫だった。足の運びがヨタヨタすぎて笑えたけど、いつパスを出すとか、どこにつけるとか、こっち(頭を指差して)のほうは衰えていなかった」という。

 チームメイトと一緒にボールを蹴る喜びは格別だったようで、復帰への意欲はより一層強くなった。「ここ数試合は『自分だったら…』と思うようになった。そういうイメージが湧かない時期もあったので、それは進歩かな」。川崎Fはリーグ再開後に3連勝を飾り、開幕から4戦負けなしで首位に立つ。そんなチームについて「普通に強い(笑)。うまく相手を見ながらやれている。(再開初戦の)鹿島戦は硬いところがあったけど、FC東京戦、柏戦は流動性も出てきた。見ていて面白い」と率直な感想を語る。だからこそ、大黒柱の中村であっても復帰後ポジションをつかむのは簡単ではない。それは本人も理解している。

「レギュラー争いはあって当然だし、今はもう自分が戻って『はい、どうぞ』というチームではないので。だからといって危機感があるかというと、その輪の中に入ることのほうが楽しみ。まずは、あのシステムのどこでもやれるように頭は整理しておかないと。しっかりパフォーマンスを出さないとオニさん(鬼木達監督)は使ってくれないと思うので、そこに戻れるように日々やるだけ」

 川崎Fは今季から新システム4-3-3を採用しており、どのポジションでのプレーを想像しているのかを聞くと、「センターフォワードで(レアンドロ・)ダミアンばりに(相手DFを)背負ってやろうかな」と、まさかの返答。もちろんそれは冗談だったが、「交代が5枠あるし、いろんなポジションをできる選手がいた方がいいと思う。アンカー、インサイドハーフ、ウイング、いまはいろんなイメージを膨らませている。(過密日程の)今シーズンに関しては出ずっぱりの選手はいない。自分も必ずどこかで力になれる」と前向きに語った。