茨田陽生が、J1で3年ぶりの先発出場を果たした。今季加入した湘南ベルマーレで、58分間のプレー。今季初勝利はならなかったものの、2つの「ゼロ」を糧に、次こそ新天地での勝利の凱歌を上げるつもりだ。

上写真=今季湘南に加入し、公式戦初先発となった茨田(写真◎Getty Images)

■2020年7月12日 J1リーグ第4節(@BMWス:観衆3,327人)
湘南 0-0 札幌

今季公式戦で初先発

 再開後の連戦で、湘南ベルマーレは少しずつ先発メンバーを変えてきた。3試合目となるこの日も先発11人のうち、3人が前節の横浜F・マリノス戦から変更。その1人が、大宮アルディージャからの完全移籍で今季加入したMF茨田陽生だった。

 3-5-2のフォーメーションでアンカーのポジションに入り、パスをさばいたり、守備に気を配った。それだけでなく、37分にはチャンスとスペースを見逃さず、ピッチ中央から右へと飛び出して縦パスを呼び込む。走り込んできた石原直樹へパスを通し、石原のポストを叩く惜しいシュートを導いた。

 58分にMF松田天馬との交代でピッチを後に。試合後には「もっとチャンスをつくってあげないといけなかったし、もっと自分が受けて、前に前にとプレーできればよかったと思う。ボールを受ける回数が少なかった」と、大宮時代の2017年最終節以来となったJ1での先発を振り返った。

 ただし、手応えもつかんでいる。「みんな、いいところを出していると思うし、それを合わせていくのがチームだと思う。僕自身も初めてのスタメンだし、公式戦で合わせていくのが大事。今日は合わない部分も多かったけど、合ってくれば、いいサッカーができるんじゃないか」。焦ることなく、着実に湘南の一員となっていくつもりだ。

 結果は引き分けでの勝ち点1獲得にとどまったが、開幕からのチームの連敗は3で止まった。「反省点はやはり、ゼロで終わった得点のところ。でも、守備面でも(失点)ゼロで終われたのはよかった」。前節までの勝ち点ゼロから一歩進んだことは、間違いない。チームにも茨田にも、決して小さくない一歩であるはずだ。

現地取材◎杉山孝 写真◎Getty Images