7月11日、明治安田生命J1リーグ第4節が開催された。前節、多摩川クラシコで大勝した川崎フロンターレはホームの等々力陸上競技場に柏レイソルを迎え、地力を違いを見せつける。家長昭博の2得点などで3-1と快勝し、リーグ再開後3連勝を飾った。

上写真=先制点、追加点を挙げた家長。獅子奮迅の活躍ぶりだった(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月11日 J1リーグ第4節(@等々力:観衆4,724人)
川崎F 3-1 柏
得点:(川)家長昭博2、レアンドロ・ダミアン
   (柏)呉屋大翔

・川崎Fメンバー◎GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ(16分:登里享平)、谷口彰悟、車屋紳太郎、MF守田英正、下田北斗、脇坂泰斗(61分:大島僚太)、FW家長昭博(61分:旗手怜央)、レアンドロ・ダミアン(86分:宮代大聖)、長谷川竜也(86分: 齋藤学)

・柏メンバー◎GKキム・スンギュ、DF北爪健吾(46分:三丸拡)、染谷悠太(64分:高橋祐治)、鎌田次郎、古賀太陽、MF江坂任、戸嶋祥郎(46分:仲間隼斗)、ヒシャルジソン、瀬川祐輔、FW神谷優太(68分:マテウス・サヴィオ)、オルンガ(46分:呉屋大翔)

フロンターレ強しを印象付ける

 リーグ再開後、観客を迎え入れて開催される初めてのホームゲーム。川崎Fは前節、多摩川クラシコで大勝したチームから先発を3人を入れ替えて柏戦に臨んだ。左サイドバックは登里に代えて車屋、アンカーは田中に代えて守田、左インサイドMFには大島に代わって下田が入った。
 
 コンビネーション面でぎこちなさがなかったわけではない。序盤はパスのタイミングがずれたり、出しどころが無く詰まったり。ぎくしゃくしたところも見て取れた。だが、時間の経過とともに修正を施し、敵陣でボールを回す時間を増やしていく。16分に守備の要ジェジエウが負傷交代したものの、ボールを握り倒してじわじわと圧力をかける。人垣を築いてざされた柏ゴールの扉を何度も何度もノックしていった。

 ただでさえ中2日での試合であり、湿度の高い時期の試合で消耗は激しいはずだが、「ボールは疲れない」とばかりに、回して回してゴールに迫る。そして迎えた40分、右CKの機会を得ると、ついに扉をこじ開けた。脇坂が蹴ったボールにファーサイドで待っていた家長が頭を合わせ、GKキム・スンギュを破った。

 その2分後、今度は川崎Fらしい形でネットを揺らす。家長が相手CBの鎌田、左ウイングの長谷川が相手右サイドバックの北爪に順に寄せてパスの出しどころを限定。柏が苦し紛れに中盤に預けたところを逃さなかった。ジェジエウに代わって出場していた左サイドバックの登里が猛然とダッシュ(登里登場後、車屋は左CBへ移動していた)。見事にインターセプトすると、そのままゴール前に残っていた家長へ。先制点を決めた右ウイングは、落ち着き払って右足を振り抜き、ネットを射抜いてみせた。

 1点目は頭、2点目は右足と、いずれも得意の左足ではなかったが、家長の活躍で2-0とし、川崎Fは前半でしっかりリードを奪った。柏も後半のスタートから3枚替えで反撃に出るが、返せたのは呉屋の1点のみ。逆に川崎Fはレアンドロ・ダミアンがCKから追加点、ホームチームが、その強さを見せるつけることになった。

 スタジアムに集まった4,724人の観衆は、声を出しての応援が禁じられていたため、拍手で川崎Fのプレーに反応した。その拍手が最初から最後まで等々力陸上競技場で鳴り響いていた事実が、この日の内容を物語る。アグレッシブさ、技術力、選手層の厚さ、得点パターンの豊富さ、そして戦う姿勢。『フロンターレ、強し』を印象付ける、そんな試合になった。

「序盤はポジショニングもそれほど悪くなったですが、相手は質の高い川崎Fなのでボールを奪ってから効率的なカウンターにいけなかった。われわれにオプションがなく、そうしているうちにペースを握られてしまった」

 敵将のネルシーニョ監督は完敗を認めた。この敗戦で柏は再開後、悔しい3連敗となってしまった。

「得点を取れたことがこういう形なったと思います。今シーズンは得点ということを大事にしているので、結果を出してくれたことはすごく評価できる。ただ、これに満足することなく、選手にも伝えましたけど、失点シーンは注意不足。そういうところを改善して次のゲームに臨みたいと思います」

 川崎Fの鬼木監督は選手を評価しながらも、カブトの緒を締めることを忘れなかった。自ら再開後の最初の山場と話していた3連戦に3連勝。最高の形でリスタートを切っても気は緩めない。指揮官の姿勢もまた、このチームの強さなのだろう。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE