ガンバ大阪から移籍した名古屋グランパスのオ・ジェソクが10日にチームに合流した。初練習を終え、オンライン取材に応じた新戦力は、急転直下で決まった移籍の経緯を説明するとともに、新天地での決意を語った。

上写真=名古屋グランパスの練習着を着てトレーニングするオ・ジェソク(写真◎名古屋グランパス提供)

日本でサッカーを続けたかった

 7月31日で契約満了となるガンバ大阪との契約延長がかなわず、オ・ジェソクは日本を離れることも考えていたという。その可能性が日増しに高まる中で、日本でサッカーを続ける道を模索していた。だが、新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が中断するなど、Jリーグを取り巻く環境が例年とは大きく異なり、交渉は難航。韓国に帰国することが現実味を帯びていった。

「このまま(今年)1試合だけやって韓国に帰るのはもったいないと思ったし、残念な気持ちでした。できるだけ、長く日本でプレーしたいという気持ちも強かったし、最後まで可能性を信じて、他のチームのオファーを待っていました。そして奇跡的にグランパスが韓国に帰る2日前にオファーを出してくれて、残れました。感謝の気持ちしかないし、恩返ししたい気持ちが強いです」

 帰国の2日前、急転直下で交渉はまとまった。名古屋グランパスからのオファーを受けて、オ・ジェソクは日本でキャリアを続けることになった。日本に残りたい理由は、さまざまあると語るが、一つ大きいのは、「人」だという。「表現が難しいですが、ここではとてもリスペクトを感じられる。みんながそれぞれをリスペクトしている関係性もそうだし、人柄もそう。本当に魅力的なリーグだと思っています。韓国に帰る選択肢もありましたが、それをもっと感じたかったので日本に残る決断をしました」。

 守備面の強さをアピールし、過密日程の中で左右のサイドバックでプレーできる利便性でチームに貢献したいと本人は語る。ヨーロッパの監督の下でプレーするのは初めてになるが、「もともとイタリアのサッカーが好きだったので、すごく楽しみ」とフィッカデンティ監督の指導に胸を躍らせた。

「チームメイトの特長を知って、自分の強さを知ってもらって、コンディションを上げて8月1日へ準備していきたい」

 選手登録の関係上、最短でも8月1日からの出場となるが、7月末まで残っていたG大阪との契約は解除し、その8月1日から出場するために準備を進めている。1対1での守備力や最後まであきらめない守りを発揮していきたいという。

「名古屋はタイトルを目指しているチームだと思いますし、それを実現できるメンバーだと思っていました」

 タイトル奪取のために、「難しい状況の中で僕の手をつかんでくれたこと」に対する恩返しのために、そして「ファミリー」と歓喜を分かち合うために、オ・ジェソクはピッチに立つ。

写真◎名古屋グランパス提供