上写真＝七夕記念のブルーのユニフォームを着用した湘南。MF福田はアンカーとして先発した（写真◎Getty Images）
■2020年7月4日 J1リーグ第2節(@BMWス)
湘南 0-1 仙台
得点：(湘)なし (仙)ジャーメイン良
日本サッカー界にとっては新たな一歩
アンラッキーな失点が最後まで重くのしかかった。前半3分、仙台のジャーメイン良のクロスが風に乗ってGK富居大樹の頭上を越え、そのまま湘南ゴールのネットに吸い込まれた。「立ち上がりで難しいゲームにしてしまった」と振り返ったのは湘南の浮嶋敏監督。3-5-2のアンカーとして先発した福田も、「あの1点が悔やまれる」と指揮官の言葉に同意した。
リスクを避ける戦いにシフトした仙台に対し、湘南は攻めあぐねる時間が続いた。ボール支配率では相手を上回ったが、相手守備陣の裏を突くシーンは少なく、スコアはそのまま動かなかった。福田は「簡単にボールを失わないという意識や、後ろでしっかり組み立てながら前に運びたいという気持ちが強かった。それにチャレンジすることは悪いことではないと思うけど、相手がマンツーマン気味に来ていたので、そこは割り切る必要があった」と反省を口にした。
だが、福田の表情は明るかった。この日の試合には勝ち負け以上の価値があったからだ。
「自分たちがサッカーをする場を与えてくれた方々に、感謝の気持ちを持ってプレーしようと思っていました。もちろん勝利で終わりたかったけど、こうしてまたサッカーができたことはすごくうれしい」
「再開できたことが何より。湘南のサポーターの方々には残念な姿をお見せしましたが、日本サッカー界にとっては新たな一歩だと思う。サッカー界全体で社会を盛り上げたい」
言葉の端々から喜びが伝わってきた。次戦は早くも中3日でやってくる。相手は前年王者の横浜F・マリノス。「僕たちの勝利で湘南のサポーターの方々を笑顔にできればいいなと思うので、次の試合に向けて準備したい」。神奈川ダービーでの今季初勝利を誓った。
現地取材◎多賀祐輔 写真◎Getty Images