新型コロナウイルスの影響で中断していた明治安田生命J1リーグが7月4日、約4カ月ぶりに再開した。浦和レッズは本拠地の埼玉スタジアムに前年王者の横浜F・マリノスを迎え、最後まで粘り強い守備で耐えて勝ち点1を得た。

上写真=横浜FMのエリキと競り合う浦和の橋岡。球際の争いは激しかった(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月4日 J1リーグ第2節(@埼スタ)
浦和 0-0 横浜FM
得点:(浦)なし
    (横)なし

浦和メンバー◎GK西川周作、DF橋岡大樹、トーマス・デン、岩波拓也、山中亮輔(88分:宇賀神友弥)、MF長澤和輝(58分:マルティノス)、青木拓矢、柴戸海、汰木康也(58分:関根貴大)、FW興梠慎三(75分:武藤雄樹)、杉本健勇

横浜FMメンバー◎GK梶川裕嗣、DF小池龍太、實藤友紀(45+2分:チアゴ・マルチンス)、畠中槙之輔、ティーラトン、MF扇原貴宏、喜田拓也、天野純(62分:エジカル・ジュニオ)、FW仲川輝人(82分:水沼宏太)、エリキ、遠藤渓太(62分:マルコス・ジュニオール)

圧巻のコレオグラフィー

 スタンドを埋め尽くした無人のコレオグラフィーは圧巻だった。クラブスタッフ、後援会、ボランティアらが5日間かけて6万枚のビニールを張って作り上げたという。ファン・サポーターのいない埼玉スタジアムを鮮やかに彩り、ホームの雰囲気を演出していた。

 特別な本拠地で戦う浦和は、序盤から全体のラインをコンパクトに保ち、ペースを握った。前半はハーフウェーライン付近でボランチの柴戸海、青木拓矢らが何度もボールを奪い、チャンスをつくった。相手に押し込まれてもペナルティーエリアの前でブロックを構築してしっかりはじき返す。前半終了間際には鋭いカウンターから汰木康也がドリブルで抜け出し、一気にゴールへ。シュートこそわずかに枠から外れたものの、浦和が速攻で横浜FMの裏を突くという前半を象徴するシーンだった。

 後半になっても、浦和は粘って守り、カウンターを狙い続けた。サイドで上下動を繰り返したサイドハーフは58分で交代。フレッシュなウイングを入れて、手数をかけずに相手最終ラインの背後へ。終盤は息切れして守勢に回ったものの、ビッグセーブを連発したGK西川周作を中心にゴールを死守。集中力を途切れさせることなく、無失点でしのいだ。今季は公式戦3試合で負けなし。ゴールこそ奪えなかったが、今季の公式戦2試合で4失点を喫していた守備は改善が見られた。大槻毅監督はピンチを招いた点などは反省しながらも、手応えも口にしていた。

「狙いを持って主体的に守備ができた」

 横浜FMはエンジンのかかりが遅く、終盤に攻勢をかけたものの、ゴールを奪えずに終了。アンジェ・ポステコグルー監督は「とても難しい入りになった。リズムをつかめなかった」と渋い表情だった。前年王者はリーグ開幕から2試合勝ちがない。

現地取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE