7月4日、約4カ月ぶりに明治安田生命J1リーグが再開した。Shonan BMWスタジアム平塚では湘南ベルマーレとベガルタ仙台が対戦し、アウェーの仙台がジャーメイン良のゴールで勝利。リーグ再開初戦を制し、今季の初白星を飾った。

上写真=ドリブルを仕掛けるジャーメイン。仙台が今季初勝利を飾った(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月4日 J1リーグ第2節(@BMWス)
湘南 0-1 仙台
得点:(湘)なし
    (仙)ジャーメイン良

湘南メンバー:GK富居大樹、DF石原広教、坂圭祐、大岩一貴(73分:古林将太)、MF岡本拓也、齊藤未月、福田晃斗、松田天馬(90分:岩崎悠人)、鈴木冬一(55分:大野和成)、FWタリク(55分:茨田陽生)、石原直樹(73分:指宿洋史)

仙台メンバー:GK小畑裕馬、DF蜂須賀孝治、吉野恭平、平岡康裕、石原崇兆(90分:飯尾竜太朗)、MF関口訓充(58分:アレクサンドレ・ゲデス)、椎橋慧也、松下佳貴(90分:中原彰吾)、FWジャーメイン良(67分:山田寛人)、長沢駿(58分:赤﨑秀平)、西村拓真

新システム4-3-3が奏功

 リーグ再開初戦に送り込まれたイレブンは対照的だった。開幕戦からの変更は1人(山田直輝→松田)の湘南に対し、仙台は6人が入れ替わった。ゴールキーパーにはプロ1年目の小畑が抜擢され、システムも4-4-2から4-3-3へ変更された。

 仙台を率いる木山隆之監督は今季就任したばかり。約4カ月の中断期間に選手の適性を見極め、自身の目指す方向性をチームに植え付けた。大きく変わったのは攻撃の形。前線に3トップを配し、サイド攻撃を徹底した。右ウイングに入ったジャーメインは縦への仕掛けから先制点をマーク。クロスが直接ネットに吸い込まれるラッキーな形だったが、「勝負を仕掛けたから生まれたゴール」と胸を張った。海外挑戦を経て3月にチームに復帰した西村も存在感を発揮。左サイドから切れ味鋭いドリブル突破を披露し、改めてポテンシャルの高さを示した。

 試合は結局、前半3分のジャーメインのゴールが決勝点となり、新生・仙台が今季初勝利。湘南に押し込まれる時間帯もあったが、18歳のGK小畑の好守も光り、無失点で逃げ切った。木山監督は「久しぶりの試合だったがスムーズに入れた。(選手交代で)人が入れ替わりながらも、自分たちのベースを崩さずにプレーできた」と手応えを口にし、プロデビューの小畑も「自分のプレーを出せた」と自信をつかんだ様子だった。

 一方、ホームの湘南はボール支配率では上回ったものの、最後の局面で崩し切れなかった。「仙台は最終ライン以外がマンツーマンで来たが、そこを越えていくようなボールを使えなかった」とは浮嶋敏監督の弁。右ウイングバックで出場した主将の岡本は、「テレビで見てくれている方にエネルギーを与えられる試合にしたかったけど、立ち上がりからフワッと入ってしまい、こういう結果になってしまった。自分たちらしさは何なのかを思い出さないといけない」と唇をかんだ。

現地取材◎多賀祐輔 写真◎J.LEAGUE