7月4日、明治安田生命J1リーグが再開し、柏レイソルはFC東京をホームに迎えた。堅さが続く90分だったが、FC東京が62分、右CKを森重真人がヘッドで折り返し、渡辺剛が押し込んで決勝点。1−0で勝利を収めた。

上写真=激しいコンタクトが連続した90分はセットプレーで勝負が決まった(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月4日 J1リーグ第2節(@三共F柏)
柏 0-1 FC東京
得点:(東)渡辺剛

交代:(柏)マテウス・サヴィオ→戸嶋祥郎(63分)
      大谷秀和→神谷優太(70分)
      瀬川祐輔→仲間隼斗(78分)
   (東)ディエゴ・オリベイラ→田川亨介(28分)
      アダイウトン→紺野和也(78分)
      田川亨介→アルトゥール・シルバ(90+4分)

良くない意味でのフィジカルゲーム

 約4カ月ぶりの「本番」だから、すべてがうまくいくとは限らない。長い中断の影響は明らかで、特に前半はお互いにボールを失う機会が多くなってルーズボールが増え、そのことで良くない意味での荒いフィジカルゲームになった。

 まだ序盤の7分、柏のヒシャルジソンがFC東京のレアンドロのロングドリブルを手で止めていきなり警告を受けたあたりから、どちらも落ち着かなくなり、ファウルが増えてプレーが途切れていく。28分には東京のディエゴ・オリベイラが度重なるハードなチャージの影響で足を痛めてピッチを去っている。

 この流れと表裏一体だが、どちらもなかなか思い通りにボールがつながっていかない。連係といえば、21分にFC東京がブラジルトリオの軽快なパス交換から室屋成が放ったミドルシュート、森重真人-レアンドロ-ディエゴ・オリベイラの縦の連係からディエゴ・オリベイラが巧みに2人の間を抜いてゴールに迫った26分のチャンスぐらい。柏もオルンガが抜け出してGK林彰洋と1対1になりながら左に外した5分、同じくオルンガが右からの江坂任のクロスにヘッドで合わせた43分ぐらいしか大きなチャンスはなかった。

 結果的に勝負が決まったのも、厳しいタックルがきっかけになった。60分にゴールに向かってドリブルで突き進むアダイウトンをヒシャルジソンが倒し、この日2度めの警告でレッドカード。このファウルで得たFKをレアンドロが蹴って壁に当たりCKを得ると、この右からの小川諒也のキックをファーで森重がヘッドでたたいて折り返し、最後は渡辺剛が右足で押し込んだゴールが決勝点となった。

 柏は1人少なく1点ビハインドの状況からのリカバーを図る。「クリエイティブな選手を入れて引き分けに持ち込む」というネルシーニョ監督の狙いによって、戸嶋祥郎、神谷優太、仲間隼斗と昨季J2で輝きを見せた新加入選手を次々と投入、攻撃の圧力を高めていった。しかし、巧みにボールをさらしてはパスでプレスをかわしてゲームをコントロールするFC東京に逃げ切られた。

 勝負の分かれ目を問われたFC東京の長谷川健太監督は「セットプレーだと思います。セットプレーで相手のスキを突くことができました」としてやったりの口調。これで連勝となり、上々のスタートとなった。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE