サンフレッチェ広島DF佐々木翔が、万全の状態でリスタートする。ヴィッセル神戸のアウェーに乗り込む7月4日の再開初戦。周囲への感謝をあらためて感じた中断期間を経て、今季の公式戦3連勝を目指す。

上写真=7月3日に神戸戦前最後の練習を行なった佐々木(写真◎石倉利英)

中断期間は「貴重な機会」

 笑顔を交えて語る様子が、確かな手応えを物語っていた。7月3日、サンフレッチェ広島DF佐々木翔は練習を終え、「コンディションは非常に良いです。十分に期間がありましたし、僕以外の選手たちも非常に良い状態で試合に臨めるんじゃないかと思います」と力強く言った。

 ヴィッセル神戸とのアウェーゲームを前にした最後の練習では、フルコートの紅白戦や、セットプレーの攻撃と守備で相手の特徴などを再確認。チームは活動休止明けの練習で順調にコンディションを上げてきており、佐々木も力強い動きを随所に見せるなど、準備が万端に整っていることをうかがわせた。

 2月末からの公式戦中断期間に、いろいろなことを考えたと振り返る。「サッカーができるのは選手たちの力だけじゃない、と感じました。スポンサーの方たち、ファンの方たちがいて成り立っている。選手としてだけでなく、一人の国民としても考えることが多く、貴重な機会になりました」。思いを行動にも移し、卒団式を開けなかったチームの選手たちに祝福動画を送るなど、キャプテンとしてピッチ外でもチームを引っ張った。

 神戸戦では「まずは広島らしく、人もボールも動くサッカーをしたい。もちろん相手ありきでやるものなので、相手のストロングポイントや、要注意の選手は常に警戒しながら、勝ちにこだわるサッカーを見せたい」という。「多くの方々のご尽力があって再開できる。それは身に染みて感じているし、感謝しています。その思いを少しでも返せるように、また広島県民の方々を少しでも笑顔にできるように、勇気を与えられるように、勝利を届けたい」。周囲への思いを胸に、2月の公式戦連勝に続く3連勝を目指してリスタートする。

取材◎石倉利英 写真◎石倉利英